どうも!宇宙ヤバイch中の人のキャベチです。
今回は「ワガママ小惑星2015 BZ509」をテーマに動画をお送りします。
目次
逆方向に公転する惑星
まず、惑星の公転方向と言いますと、北極から見て逆時計回りで回ってる光景を思い浮かべますね。
実は地球を含めた天体の内99.9%以上は、太陽系の中を同じ方向に回っています!
ですが少なからず例外も発見されてます。
例えば1999年に初めて見つかった逆行小惑星「ディオレッツァ」(20461 Dioretsa)がそうですね。
このディオレッツァは小惑星を意味する“asteroid” の綴りを逆にした “dioretsa”と、逆方向に公転する性質を生かした随分洒落た名前が付いてます!
その他、2016年に発見した“Niku”(逆骨)という愛称で親しまれている小惑星471325は軌道傾斜角が90度を超えており、北極から見て時計回りに見える軌道を回っています。
2015BZ509
今回紹介するワガママ小惑星2015 BZ509も公転方向が他の大部分の天体とは逆方向に公転しています。
ちなみにこの小惑星にはいくつか名前がありますが、どれも長いのであだ名のBZ(Bee-Zed)と呼ぶことにします。
先に挙げた2つの小惑星の公転軌道がどの惑星とも異なるのに対し、この小惑星BZは木星とかなり近い軌道を木星と同じような周期で逆回転しています。
しかも1周の間に2度木星と接近する際、1度目は木星により内側に引っ張られ、2度目は外側に引き出されるように、かなり不安定な場所で絶妙なバランスで公転してます。
BZはひたすら我が道を行く超絶ワガママな星かと思いきや、しっかりと木星のお世話になっている憎めなく面白い小惑星ですね!
このような特殊な軌道を持つ小惑星はどのようにして誕生したんでしょう?
BZの起源①
様々な可能性が示されていますが、主に二つの方法があると考えられてます。
一つ目はBZはオールトの雲から来た尾がなくなった彗星で、逆向きの軌道に押し込まれた後、数百万年ほど前に今の軌道に入った説です。
しかもこの安定した状態は少なくとも更に百万年続く事が分かってます。
すごいバランス感覚ですね!
あの有名なハレー彗星を含め、逆方向に公転する彗星は小惑星より高い比率で発見されているので、BZもこの類と考えるのも自然です。
BZの起源②
もう一つは太陽系外から来たという説です。分かりやすくシミュレーションで説明します!
※シミュレーションはあくまでイメージです
太陽が誕生した星団は恒星の密度が高く、太陽が生まれてから一億年後の星団にはこのように、周りに惑星や小惑星が公転する恒星が数多く存在していたと考えられてます。
もし二つの恒星が一定の距離を置いて接近した時、恒星の周りに小惑星しかなかったら星同士が接近しても、軌道がかき乱されるだけで小惑星は元の恒星を離れません。
ですが大質量惑星がありますと、軌道が歪められた小惑星が近づかないはずの惑星に急接近し、惑星の重力の働きによって遠くに飛ばされます。
その後もう一つの恒星に捕らえられ、条件によってはこの恒星にはない逆回りの小惑星にもなり得ます。
もし本当に小惑星がよそからの移住者であれば、惑星形成や太陽系の進化に関わる未解決の問題、生命そのものの起源にも迫れる重要な手掛かりをくれるかもしれません。
結論:今後のワガママ小惑星の研究に期待!