どうも!宇宙ヤバイch中の人のキャベチです。
今回は「1994年に木星に落ちた巨大彗星」というテーマで動画をお送りしていきます。
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太陽系内には私たちがよく知っている惑星のような巨大な天体以外にも、無数の小天体が太陽の周囲を公転しています。
それらはたまに隕石として、他の天体に衝突することがあります。
地球に隕石が落ちることももちろんありますが、太陽系最大の惑星である木星は地球の11倍の直径がある上、地球の318倍の質量を持ち非常に強力な重力によって周囲の天体を引きつけるため、隕石の格好の的となります。
その結果木星には実に地球の2000-8000倍という頻度で隕石が落ちているそうです!
このことから木星は身代わりになって地球を隕石衝突から守ってくれていると言われることもあります。
このように日常的に隕石と衝突している木星ですが、中でも条件が揃うと、その衝突を地球からでも観測できることがあります!
木星はガス惑星なので地表はありませんが、木星の重力が強すぎるため、隕石の衝突直前には地球との衝突時の5倍くらいの速度にまで加速され、衝突時に凄まじいエネルギーを放ち、地球からでも観測できるんですね。
木星への天体衝突イベントで特に大事件となったのは、1994年に衝突したシューメーカー・レヴィ第9彗星が挙げられると思います!
Credit: NASA/JPL
1994年7月、木星に21個もの小天体が連続して衝突しました。
この天体衝突は地球から見てギリギリ見えない地点で起きたため衝突地点の直接観測はできませんでしたが、激しい閃光が地球からでも確認できるほど大規模な衝突でした。
Credit:H. Hammel, MIT and NASA
衝突後の木星にはこのような大規模な衝突跡があるのがはっきりと確認できました!
跡にはいくつかの構造がありますが、一番大きな構造を含めると直径が12000㎞、なんと地球とほぼ変わらない大きさをしていたようです!
爆発のエネルギーは地球上にある核兵器を一度に爆発させた際に生じるエネルギーの実に600倍という、とてつもないインパクトがあったと言われています。
これだけ巨大な跡を残すのも納得です…
Credit:NASA, ESA, and H. Weaver and E. Smith (STScI)
ではなぜ21個もの天体が連続して木星に衝突したのでしょうか?
実はこれらの小天体は元は一つの天体だったと考えられています。
分裂後ですら一つ当たり数百m~1㎞ほどあったので、元はかなり大きな天体だったのでしょう。
分裂後の天体の軌道から計算すると、元の天体は1994年に木星に衝突する二年前に木星に一度接近していたことが明らかになりました。
最接近時には木星表面から約7万㎞という、木星半径より小さい距離まで接近していたと考えられています!
その際に木星によって砕かれてしまい、分裂してしまったと考えられています。
木星にも痛そうな跡ができましたが、シューメーカー・レヴィ第9彗星にとっては砕かれた上に飲み込まれているわけなので、まさに弱肉強食の理不尽な結末です!
結論:木星「いたたたた!!この衝突何回続くねん!?」
レヴィ彗星「お前が分裂させたんだろ」
情報参照元:https://www.nasa.gov/feature/goddard/2019/how-historic-jupiter-comet-impact-led-to-planetary-defense
サムネイル画像クレジット:K. Suda&Y. Akimoto / Mabuchi Design Office、courtesy of Astrobiology Center、Japan