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恒星を覆いつくすダイソン球の実現の難しさと非現実性

 

どうも!宇宙ヤバイch中の人のキャベチです。

今回は僕の知人であり、とても宇宙に詳しい神風さんが宇宙ヤバイchのためにダイソン球の実現の難しさと非現実性に関して論文を書いてくれたので、全文を紹介させていただきます。

ダイソン球がそもそもなんなのかがわからない方は以下の記事も併せてお読みください!
【ダイソン球】超高度に発展した文明のエネルギー利用装置が凄すぎる!

ダイソン球の実現が極めて難しい理由

これまで数多くマニアックな話題としてダイソン球を我々は話してきた訳ですが、現実的に考えるとダイソン球の現実性は疑われる一方です

まず、欠点を上げる前に利点を上げておきましょう

恒星の膨大なエネルギーをほぼ無駄なく効率的に活用できる

ざっくり、これがダイソン球の醍醐味であり、これを成しえなければダイソン球など初めから話になどならないわけです

では、なぜ非現実的なのか
実現が限りなく難しいのか

詳しく解説していきましょう

1、膨大な資源と時間を要する

例えば太陽系を例に見てもわかるかと思いますが、太陽系のみならず、すべての恒星系はほとんどの質量を恒星が占めています

その数値は実に99.9%
各恒星系で若干違いはあれどそれに近い数字でしょう

よって、ダイソン球を作ろうとする恒星系にある資源だけではダイソン球は資源的に建設できないことです
これが最も難題でありましょう

ダイソン球を建設するためにはおそらく最低でも4~5星系を支配下に置き管理しなければなりません

そして、一番近い恒星系でも4.2光年のプロキシマケンタウリ
輸送手段や移動手段を含めて問題は山積み
建設も恒星系を覆うほどですのでその時間も膨大になることでしょう

2、太陽系には建設できない

ダイソン球はご存知の通り恒星をすっぽり覆うので、その惑星群の環境破壊は免れないことです
つまり、人類が意図的にダイソン球を崩さない限り永遠にその恒星系は光を失い氷河期に突入します

これが意図することは一つ
もし太陽に建設しようものなら地球に住めなくなるということです

対策として地球方面に穴をあける、というのがありますがこれはリスクと問題があります

まず、一ヵ所に穴をあけた場合に通常の何倍もの指向性フレアができます
例えば物を冷やすときや吹き飛ばす時、口を小さくして息を吹きかけますよね?
それと同じような感じです

そうなった場合、地球の磁場及び大気を吹き飛ばす結果になってしまいます
吹き飛ばす・・・まではいかなくとも、地表の紫外線量が増えたり、オゾン層の破壊につながり大変危険です

それに、おそらくテラフォーミングすると思われる金星や火星にも問題はあります
当然、惑星によって公転時間は違いますので3つ穴をあけたからと言って公転に合わせてダイソン球を回転させることも現実味を帯びません

まず、ダイソン球を回転させる時点で膨大なエネルギーを消費すると思われるのでコストパフォーマンスに問題があると思われます
エネルギーを得る量に対してコストが似合わないのでは本末転倒です

もし「人類の科学は世界一ぃぃぃぃぃ」で穴の問題と指向性フレアを何とかしたとしても
隕石や人為的ミス、機械的故障などでダイソン球やその他付属補助機械に問題が出たらその時点で地球など含めて太陽系に人類の居場所はなくなるでしょう

他にも我々には考えも及ばないような問題もあるかもしれません

そのようなリスクを冒してまでダイソン球を作ろうと未来の人は考えるでしょうか?
この場合、最も建設に適しているのはプロキシマケンタウリでしょう

恒星もある程度小さく
あそこは3連星系ですので一つ恒星がなくなってもある程度許容できます
というかあまり問題にはならないでしょう

3、エネルギー供給網の問題

先ほど言いましたように最も建設に適しているのはプロキシマケンタウリですが
今度はエネルギー供給の問題があります

具体的にプロキシマケンタウリから
一番エネルギーを消費するであろう太陽系までエネルギーを供給できません
おそらくケンタウリ星系内でも難しいでしょう

恒星は当然ながら、惑星もすべて動いています
なので今のような電線を介してのエネルギー供給は不可能です
エネルギーを効率よく伝え、電線を介しない無線供給技術が必要不可欠でありますし
ただ単に供給するだけではなく、指向性を持たせてやらないと効率を求められないでしょう

そして前期にもある通り太陽系からプロキシマケンタウリまで4.2光年
その距離をどうやってエネルギーを送るかです

光のエネルギーを放ったとしてそれが届くのが4.2年先ではエネルギー量も減り
置換方式でエネルギー物質変換を行えるような技術があったとしても宇宙の広大な広さには人類は絶えず悩まされることでしょう

ワープと呼ばれる夢の技術は学会で否定されたばかり
光の速度でも4.2光年先の太陽系に宇宙船で運ぶのではとてもではありませんが非効率すぎます
よって、エネルギーを受け取るのも容易ではないと思われます

4、ダイソン球を作れる技術があるなら、他にもっと効率の良い発電機を開発できている

例えばゼロポイント機関など「無からエネルギーを生成できる」技術が完成できているかもしれません
そうなればダイソン球を建設する意味はなくなります

まあ、これは私の推測でしかありませんが
おそらくそうなるでしょう
4~5星系を行き来できる技術があるなら・・・もはやダイソン球は意味を持たないでしょう

5、恒星によってエネルギー出力が違う、失ったときの損失は膨大、修理費はバカにならない

当然、ベテルギウスなどの赤色巨星からプロキシマケンタウリのような赤色矮星まで恒星は種類があるわけですが
もちろん恒星によって出力比は違うでしょう

先ほど、ダイソン球建設に適しているのはプロキシマケンタウリだと言いましたが、プロキシマケンタウリに問題がないわけではありません

プロキシマケンタウリの赤色矮星
これは利点でもあり欠点でもあります

赤色矮星で小さいということは建設が比較的容易で、寿命も長いため
長い間出力を保つことができます

しかし、その一方で出力比が弱く(表面温度が低い、光度が低い)
その割に太陽フレアは強いのでダイソン球を損傷させてしまう可能性があるわけです
もし、ダイソン球が頻繁に壊れることになれば修理費は高くつくでしょう

次にR136a1のような青色超巨星にダイソン球を作った場合
とてつもない大出力のエネルギーを得られることでしょう
出力比はとんでもなく良いはずです

しかし、寿命が圧倒的に短く
放出するエネルギーもすさまじく、ダイソン球が耐えられるかどうかはとても疑問ですね
紛失や故障を恐れダイソン球の半径を大きくすれば今度は建設に時間がかかります
しかも、コストも上がりますしフレアや太陽風は尋常ではないので建設も困難を極めます

どちらにも利点や欠点があり
どちらが良いとは言い切れません

もし、近い将来人類が最初のダイソン球を建設するなら・・・

おそらく、我々が生きている時代にはできないでしょうが、近い将来に人類がダイソン球を作るとしたらケンタウリ星系がよいでしょう

あそこはプロキシマケンタウリという、「比較的建設が容易」な赤色矮星もありますし
3連星でありますから、物資も豊富です

プロキシマケンタウリが消えて2連星になったとしても、人類の生存圏になるであろうケンタウリ座α星AとBにそこまで影響はない他
ダイソン球建設の暁には、なんとかケンタウリ星系内でエネルギーを供給できるでしょう
太陽系を目指して4.2光年を往復させるより効率は良いはずです

その場合、民族大移動のように人類大移動を行ってケンタウリ星系に首都を建設すれば完璧です
(というより、完全にそうなるでしょう・・・)

ただし、この話の前提はケンタウリ星系に人類が住める惑星やテラフォーミングできる元の惑星があるならの話になりますが・・・

ダイソン球を作ることのできる条件(作る意味のある条件)

・2連星系以上
・人類にとって住める惑星があるか、テラフォーミングする価値のある惑星が存在するか
・出力のある程度安定した太陽と同格か格下の恒星
・4~5星系を支配下に置いていること
・効率の良いエネルギー運搬・供給ができる技術を完成させていること
・ダイソン球の存在を無意味にするような効率の良い発電機関、エンジンなどが開発されていないこと
など

ずいぶん長い(?)こと書いてしまいました
ダイソン球、いかがでしたでしょうか?
ロマンのあることですがその分問題が付きまとうものです

しかし、ダイソン球が人類の持つ一つの夢であることは確かです
今後良い報告&成果があることを期待しましょう
人類の可能性は良い意味でも悪い意味でも無限大なのだから・・・

 

 

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