なぜ宇宙にはこんなにも多くの恒星と惑星があるのに、地球のような生命が住むのに適した惑星が少ないのでしょうか?
実は太陽系外の恒星系と私たちの太陽系の間では、多くの決定的な違いがあるのです。
この違いこそが地球という奇跡の惑星が生まれた要因とも言えるのですが、この太陽系と他の恒星系との違いを生み出したのは他でもない、「木星」なのです。
今回はそうして地球を影で支えてくれている木星について、イラスト付きで解説してくれている動画を和訳していきます!
きっと木星の知られざる意外な一面を知ることができますよ。
What If Jupiter Never Existed?
目次
地球が生まれたのは木星のおかげ!?
1995年、「ペガスス座51番星b(51 Pegasi b」という惑星が発見されました。
この惑星は木星の半分ほどの質量を持つかなり大きなガス惑星ですが、実は主星からの距離が太陽と地球の距離の20分の1という、極めて至近距離を公転しているのです。
このようなタイプの惑星を「ホット・ジュピター」と呼びますが、太陽系では非常識的なこのホットジュピターは実は他の恒星系ではありふれた存在なのです。
では私たちの太陽系で最も大きな惑星は、なぜ主星である太陽からこんなにも遠くにあるのでしょうか?
実は科学者たちも正確な答えはまだ出せていません。
ただし、1つ有力な仮説は立っています。
この説では、木星は特定の恒星系に属さない「放浪者」であったとされます。
まだ太陽系が若かった時、複数の巨大地球型惑星(岩石から成る巨大な惑星)が太陽の近くを公転していたと考えられています。
しかし太陽の近くにあった木星のコアが徐々に遠のくに連れ、その巨大な重力によって太陽系の内側にある巨大地球型惑星たちの軌道をずらしました。
軌道をずらされた惑星たちはお互い激しく衝突し、小さな破片になってしました。
木星はやんちゃですね。
その一部は太陽に突入して消滅していきました。
しかしその後土星の誕生により木星が少し太陽から遠のくと、残った破片たちが合体し、最終的に現在も残っている地球型惑星である「水星・金星・地球・火星」が生まれたというのです。
この説によって、なぜ木星などの外側のガス惑星たちよりも内側の地球型惑星たちの方が若いのかという謎も上手く解明されます。
そしてこの説が実際に正しかったならば、地球に住む私たち生命は木星がなければ存在していなかったということになります。
木星が内側の巨大地球型惑星の軌道を変えて衝突を起こさなかったならば、今の地球は存在していないのですから。
木星は今でも地球を守ってくれている
このように木星は地球の誕生に大きな役割を担ってくれていたわけですが実は今でも地球を守ってくれているのです。
たった最近10年だけでも、木星には少なくとも5つの彗星や隕石が衝突しています。
事実、2016年3月17日にも木星に物体が突入し、直径数千kmもの巨大爆発が起こり話題になりました。
このような衝突が木星では毎月1〜5回も起きているという科学者もいます。
仮にこのような隕石を引きつける木星の巨大な引力がなければ、代わりに地球がその隕石の餌食になることは言うまでもありません。
木星は地球の誕生に大きく貢献しただけでなく、その巨体で身代わりになって私たちの地球を守っていてくれているのですね。
でも木星は地球を攻撃することもあるかもしれない
しかし一説によると、木星は地球に向かって隕石を投げつけてきているとも言われています。
守ってくれてるのにたまに攻撃してくるなんて、木星は太陽系一のツンデレに違いありません!
もしくは生みの親として時には地球に厳しく当たっているのかもしれませんね。
いずれにせよ、私たちが今ここで動画や記事を見ることができているのは、紛れもなく木星のおかげであると言えるでしょう。
これからも木星には人類の発展を遠くから見届けていてほしいものですね。