実は私たちは皆、常に高速で自転する地球に振り回されています。
しかし現在のスピードでは普段自転を感じたり、宇宙空間に吹き飛ばされたりすることはありません。
ではもしも地球の自転が今よりもずっと速くなったら、地球では何が起こり、私たちはどうなってしまうのでしょうか?
そんな疑問を解決してくれる面白い動画があったので紹介して行きます!
目次
地球は超高速で自転している
現在、地球はどれくらいの速さで自転しているのでしょうか?
その答えは、あなたが地球上のどこにいるかによって変わってきます。
なぜなら赤道上では極地にいるときよりも、自転によって24時間で移動する円周上の距離がずっと長くなるからです。
もしあなたが赤道上にいたとしたら、秒速なんと465m。
これは時速にすると1674kmで音速を優に超え、新幹線の約6倍にもなる凄まじいスピードです。
東京では時速1361km以下と、赤道付近に比べるとかなり遅くなります。
もしも地球の自転が少しだけ速くなるとどうなるのか?
仮に地球の自転が時速1.5kmだけ速くなった場合、赤道付近の海面の高さが6-7cm高くなります。
さらに人工衛星が軌道からずれてしまい、正常に作動しなくなります。
そのため修正に大変なコストがかかってしまいます。
要するに、地球が時速1.5km速くなっただけでも経済面などで甚大な影響が出てしまいますが、大惨事というほどではありません。
もしも地球の自転が大幅に速くなるとどうなるのか?
しかし自転速度がさらに上がれば、破滅的な結果が訪れるようになります。
・重量の喪失
現在、極地での体重が50kgの人は赤道付近では49.5kgになります。
つまり自転速度が速いほど宇宙空間へ放り出される遠心力の影響を強く受け、体重が軽くなるのです。
もしも赤道付近の自転速度が現在の時速1674kmから時速30000kmにまで上昇した場合、重力と自転の遠心力が完全に釣り合い、あなたは無重力状態を感じることになるでしょう。
もちろんあなたが生きていられればの話ですが…
・慢性的な時差ボケ
自転が速くなればなるほど、1日は短くなります。
もし即座に今よりも時速200km自転が速くなれば、1日は22時間になってしまいます。
私たちは体内時間が2時間もずれた居心地の悪い日々を送る羽目になりそうです。
・強力なハリケーン
もし地球の自転がなければ、赤道から極地へ風は一直線に進みます。
しかし実際は地球の自転によって風の流れは傾きます。
北半球では風は東方向に傾き、この傾きによりハリケーンが発生する仕組みです。
もしも地球の自転速度が速くなれば当然ハリケーンの渦の回転速度も増し、より甚大な被害がもたらされるようになるでしょう。
・水に覆われた世界
自転が速くなると、赤道付近に海が集中します。
自転速度が時速150kmも速くなると、赤道付近の低地は水没してしまいます。
もし自転が今の2倍、つまり時速1500kmほども増すと、遠心力により赤道部分には高さ数100mもの水が集まり、キリマンジャロやアンデス山脈など標高の高い部分以外は全て水没することになります。
自転速度が時速25000kmにも達すると、遠心力は重力と釣り合うほど大きくなり、赤道付近で絶えず降りしきる雨はなんと地上から天に向かって降り注ぐようになります。
まさに絶景ですが、残念ながらこの環境で生き残っている人類はいないでしょう。
・地震
時速40000kmにまで自転速度が上昇すると、地殻にまで影響が出始めます。
地球は丸い惑星から、極圏が平坦で赤道付近が出っ張った奇妙な形の惑星になります。
その過程でプレートの動きが活発化するため、大規模な地震や噴火が連発すること間違いなしです。
いかがでしたか?
無重力を味わえるなど楽しそうな一面もありましたが、やはり正確なバランスで成り立っている現在の環境が少しでも狂うと、私たちにとっては好ましくない結果が訪れるようです。
ですが44億年前、地球と他の天体との大衝突により月が誕生して以来、その引力により1000万年に時速8kmずつ自転速度は遅くなっています。
そのため現実にこのような状況になることはむしろ考えにくいので、ご安心ください!