どうも!宇宙ヤバイch中の人のキャベチです。
今回は「様々な天体現象のエネルギーをマグニチュードで表す」というテーマで動画をお送りしていきます。
目次
日本に住む皆さんなら、マグニチュードという単位は一度は耳にしたことがあるかと思います。
「地震の規模を表すマグニチュードは…」というやつですね!
震度というのが震源からの距離で変化する指標なのに対し、マグニチュードは観測位置にかかわらずその地震本来のエネルギーの大きさを示す指標です。
そしてマグニチュードは2上がるとエネルギーがちょうど1000倍になるように定義されているので、マグニチュード9.0を記録した東北大震災は他の地震と比較して凄まじいエネルギーの地震だったということがわかります。
こんな感じでインフレするエネルギーの大きさを比較的実感しやすい数値で表してくれる便利な指標であるマグニチュードですが、普通は地震以外で使われることはほぼありません!
ですがそのエネルギー量をマグニチュードで置き換えることで地震のエネルギーと他の現象のエネルギーを比較することができます。
今回は様々な天体現象をマグニチュードで表して、そのエネルギーの強さを比較していきます!
M8.3
最初のマグニチュードは8.3です。
日本でも滅多に起こらない巨大地震に匹敵するエネルギーですが、これは何の現象のエネルギーを表したものなのでしょうか?
これは実は「1秒間に地球が太陽から受けるエネルギー」をマグニチュードで換算したものなんですね!
ジュールでいうと1.7×10^17Jです。
太陽は偉大ですね。
M11.9
では続いてのマグニチュードは11.9です。
もはやこのレベルの地震は自然では絶対に起きないと考えられています。
これは一体何の現象でしょう?
この凄まじいエネルギーの正体は、地球上から恐竜を消し去った主因と考えられている、今から約6600万年前の白亜紀に起きた隕石衝突のエネルギーです!
当時ぶつかった隕石の大きさは直径10-15㎞で、その巨大な隕石が秒速20㎞という速さで地球に衝突したと考えられています。
M14.5
続いてのマグニチュードは14.5です。
恐竜絶滅の隕石のさらに8000倍ものエネルギーを誇る現象です。
これは一体何のエネルギーでしょうか?
正解は「太陽が1秒間に放出する全エネルギー」でした!
先ほどのM8.3のものは「地球が1秒間に太陽から受けるエネルギー」なので、地球は太陽の本気の20億分の1しか受けていないということになります。
太陽やばぁ…
地球はほんの一部のエネルギーしか受けられていないので、太陽の全エネルギーを効率よく回収しようというアイデアも出てきています。
これがダイソン球というやつですね。
ダイソン球は太陽の球面全部を覆うほどの超巨大な人工物で、それによって太陽の膨大なエネルギーを余さず回収することができます。
しかし実現には地球上全ての物質を使っても全く足りないので、もはやSFの世界ですね…
M17.8
続いてのマグニチュードは17.8です!
太陽1秒間のエネルギーのさらに9万倍のエネルギーです。
太陽25時間分のエネルギーとも言えますね。
これは「ジャイアントインパクト」のエネルギーでした!
大昔に月が形成された原因となったとされる現象です。
地球に火星サイズの天体が衝突したそうですよ!
実に恐竜破壊の隕石の7億倍のエネルギーとなります。
M19.1
さて、続いてのマグニチュードは19.1です。
ジャイアントインパクトのさらに90倍のエネルギーです。
これはどんな天体現象のエネルギーなのでしょうか??
正解は発見史上最強クラスのエネルギーを誇る恒星 R136a1が1秒間に放出するエネルギーでした!
この恒星は半径が太陽の40倍程度あり、何より表面温度が約54000℃もあるので、太陽の実に800万倍ものエネルギーを誇るまさにスーパースターです!
関連記事にてR136a1を含む様々な恒星がもしも太陽系の中心にあったらどうなるかをシミュレートしているので、以下のリンクからご覧ください。
M23.1
さていよいよ宇宙でも特に高エネルギーな現象に入ります。
続いて紹介するマグニチュードは、23.1です。
R136a1の1秒間のエネルギーの100万倍、11.5日分のエネルギーです。
この天体現象は、つい先日の動画で紹介した宇宙最恐の地震、マグネター星震によるエネルギーです!
地球から10光年離れた所からでも生命全滅不可避の、世にも恐ろしいぶっ飛び天体現象の一つです。
M23.5
次に紹介するのはマグニチュード23.5を誇る現象です。
マグネター星震の4倍程度のエネルギーを誇ります。
これは何を示しているのでしょうか?
正解は宇宙で最も明るい天体、クエーサーのエネルギーでした!
このクエーサーは地球から数十億光年も彼方から地球へ明かりをもたらす凄まじい光度の天体です。
その正体は恒星でも銀河でもなく、銀河の中心にある太陽の数億倍以上の質量を持つ超大質量ブラックホールによって刺激され超加速・加熱された物質たち、つまり降着円盤の輝きだと考えられているんですね!
M26.1
続いてはマグニチュード26.1という数値を誇る現象です。
クエーサーのさらに8000倍ものエネルギーを誇ります。
これは一体どんな天体現象なのでしょうか?
正解は超新星爆発でした!
太陽の8倍以上重い恒星がその一生の最期に起こす破壊的な天体現象で、「平均的なもので」これくらいのエネルギーになります。
ジュールだと10^44Jです。
そのエネルギーをうまく例えるものとして、太陽の一生120億年かけて放出する全エネルギーに迫るエネルギーを短時間のうちに放出してしまうというものです。
さらにこんな爆発と同程度の威力を持ち、それがさらに指向性を持って超遠方にまで到達するリアル破壊光線ガンマ線バーストまで併発する可能性があるので、もう手のつけようがありませんね。
最も注目されている超新星爆発を起こしうる天体は、地球から640光年ほど離れた所にあるオリオン座のα星ベテルギウスですね!
ベテルギウスは寿命の最終盤にさしかかっており、いつ爆発してもおかしくないとさえ言われています。
頼むからガンマ線バーストだけは併発しないでくれ…
M27.6
次に紹介するのはマグニチュード27.6という数値です。
一般的な超新星爆発のさらに約200倍、もう形容のしようがないほどの強大なエネルギーですが、一体なんでしょうか?
これはASASSN-15lhという、観測史上最強の超新星爆発のエネルギーです!
通常の超新星爆発よりさらに高威力な爆発を極超新星と呼びますが、その中でも特に高エネルギーだったのがこの爆発になります。
一説によるとこれはただの超新星爆発ではなく、超大質量ブラックホールによって恒星が砕かれることで起こった爆発現象ではないかとも考えられています。
敢えて恐竜の隕石と比較するとその3×10^23個分、3000垓個分のエネルギーということになります。
インフレが過ぎてもうよくわかりませんねw
M44
最後に紹介するのは、マグニチュード44というものです。
これは観測可能な宇宙の総エネルギー量を示しています。
これをジュールで直すと6.74×10^70J。
そしておそらく観測可能な宇宙の外には、観測可能な宇宙の総エネルギーを遥かに凌ぐエネルギーがあるでしょう。
それこそインフレを大幅に抑えるマグニチュードですら表記できないほど、途方もない世界が広がっているのかもしれませんね!
いかがでしたか?
宇宙で実際に起きている現象がいかにすさまじい威力を誇っているのか、ちょっとでも伝われば幸いです!
結論:でかい数字は宇宙にあり!