どうも!宇宙ヤバイch中の人のキャベチです。
今回は、「巨大なリングを持つ恒星フォーマルハウト」というテーマで動画をお送りしていきます。
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目次
フォーマルハウトは、日本から見える一等星の一つなので非常に有名な星です。
この星は実はとても面白い性質があるので、今回はそちらを掘り下げていきましょう!
フォーマルハウトってどんな星?
フォーマルハウトは、地球からみなみのうお座の方向におよそ25光年離れた場所に存在し、フォーマルハウトA、B、Cからなる3重連星系です。
これらの星は、生まれてからわずか4億年しかたっていない、比較的若い星です。
A星は太陽の1.92倍の質量で、表面温度は約8300℃に達し、地球から観測すると青白く輝いているように見えます。
太陽の16倍のエネルギーを放っているため、25光年離れた所から1等星の明るさで輝いて見えます!
B星はA星からおよそ1光年離れた場所に存在する、太陽より少し小さい恒星です。質量は太陽の0.73倍で、太陽の10%の明るさで輝きます。
C星はB星よりさらに小さく、太陽の18%、つまり木星の190倍程度の重さしかない暗い赤色矮星です。そしてA星から3.2光年離れた場所を2000万年も掛けて公転しています。
ただしかなり距離が離れているため、現時点では重力的に結びついてお互いを公転しあう連星系だという説が有力であるものの、実は公転していない可能性もあります。
そのためか、このシミュレーション内では公転軌道が表示されず、単独の星々として表示されています。
フォーマルハウトAの超巨大なリング!
Credit:ALMA (ESO/NAOJ/NRAO)/L. Matrà/M. A. MacGregor
こちらはフォーマルハウトAを赤外線で撮影した画像です。
フォーマルハウトAには、非常に大きな塵円盤が存在していることが分かっています!
しかもそれが何層にもわかれて存在していることが明らかになっているんですね!
特に最も外側にある一番際立った塵円盤は、2012年の観測によって詳細な画像を得られたことで、フォーマルハウトから約133AUの距離から、幅16AU、厚さ2.3AUという非常に広い範囲に及んでいることが判明しました!
この円盤は土星のリングの実に約17万倍のサイズになります。
流石恒星、惑星とはあらゆる面で規模が違いますね…
とはいえ惑星の環と恒星の円盤は全く性質が異なります。
塵円盤を太陽系にある似た構造でいうと、「エッジワースカイパーベルト」に当たります。
これは海王星以遠にある小惑星の集合領域です。
エッジワースカイパーベルトは太陽から30~50AUの地点に存在しています。
なのでフォーマルハウトの塵円盤はそれのさらに4倍も遠い領域にあり、より広い範囲にわたって存在しているという事になります!
また、フォーマルハウトの塵円盤の中心部は主星であるフォーマルハウトから15AUも離れた位置にあります!
これもまた不思議な特徴ですよね。
Credit:NASA/JPL-Caltech
ではなぜフォーマルハウトにはこのような塵円盤が存在しているかというと、フォーマルハウトがまだ誕生してから4億年しか経っていない、恒星としては若い星だからだと考えられています。
星は誕生してから1000万年程度は、原始惑星系円盤というより巨大で高温な構造を持っています。
そんな星が誕生した当時の名残で、フォーマルハウトには赤外線でなら観測できる程度の温度にまで熱が冷めた円盤状の構造が残っていると考えられています!
幻の惑星「ダゴン」!?
そしてフォーマルハウトAには惑星であるフォーマルハウトb、別名ダゴンが存在していると考えられてきましたが、このダゴンについてつい先日驚くべき研究成果が発表されたので、後日紹介します!
結論:太陽「40億年前が懐かしいぞえ」 フォーマルハウト「あんたボッチやろ」