どうも!宇宙ヤバイch中の人のキャベチです。
今回は「観測史上最多の連星系」というテーマで動画をお送りします。
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目次
宇宙には連星系がたくさん!
宇宙には太陽のような恒星がそれこそ星の数ほど存在していることがわかっています。
その中には太陽のように単一の星で存在している恒星系もあれば、他の恒星と重力的に結びつき、お互いを公転
しあっている連星系もあります。
実に宇宙にある星の半分程度が連星に属しているとも言われます!
そんな連星系ですが、2つの星が単純な軌道で公転しあう2重連星系もあれば、それ以上の数の星々が複雑な軌道を描きながら公転しあう多重連星系も存在しています。
例えば太陽系から最も近い恒星系である「ケンタウルス座α星系」なんかも、3重連星系としてよく知られていますね。
ではこれまで発見された中で最も多くの星々で構成され、複雑な軌道を描いている連星系は何でしょうか?
実は日本人にとっては非常になじみが深い有名な星がトップにランクインしていました!
観測史上最多の連星系「カストル」
発見史上最多の連星系は、ふたご座のα星「カストル」です。
カストルはポルックスと並んでふたご座の星で特に有名な星の一つですし、ふたご座自体が誕生星座ということもありかなり有名な星だと思います!
カストルは地球から約50光年の場所にあるふたご座のα星で、視等級1.58とギリギリ1等星になりそこねた2等星です。
早速二つの星が見えてきました!
カストルAとカストルBという連星系となっています。
まずはAの方に近づいてみましょう!
なんと近づくと、一つに見えていた恒星が実は二つで、連星を成していたことが判明しました。
これらをまとめてカストルAと呼びます。
大きい方はカストルAaと呼び、太陽の2.15倍の質量を持ちます。
表面温度も高く青い光を放って見えます。
スペックがかなり高い恒星です!
小さい方のカストルAbは、太陽と比べて質量も大きさも半分ほどしかない省エネな赤色矮星となっています。
これらの恒星はわずか9日ほどで公転しあっているそうです。
ではカストルAを離れ、もう一つ近くにあった恒星カストルBへと近づいてみましょう!
なんと、カストルBも連星を成していました!
先ほどのカストルAよりもお互いの距離が近く、わずか3日ほどで公転しあっているそうです。
カストルBで大きい方の恒星カストルBaは、太陽の1.7倍の質量を持つ太陽より一回り大きい恒星です。
温度も8500℃と高く、青白く見えます。
一方カストルBbは、さきほどのカストルAbよりもさらに一回り小さい省エネな赤色矮星です。
このように既に4つもの恒星が集まって、一つの連星系を成していることが明らかになりました。
ですがこのカストル系にはまだ星があるんですね!
カストルA,Bからかなり離れたところにもう一つ明るい光が残っていました!
これはカストルCという恒星です。
そちらのカストルCへも向かってみましょう!
はい、実はこのカストルCも連星でした。
カストルCもカストルCaとカストルCbという名前の二つの星で構成されますが、これらは2つとも太陽の質量に
満たない小さく省エネな赤色矮星に分類されます。
そのため地球から見えるカストルの光の大部分はAとBによるもので、特にAは単体でも(連星だけど)二等星の明るさを誇っています!
カストルの構成員おさらい
ではカストルの恒星達を振り返ってみましょう!
まずは太陽の2倍以上の質量を持つ大質量な恒星カストルAa、こちらはシリウスよりも大きいです!
それに赤色矮星のカストルAがセットでした。
そして太陽の1.7倍の質量を持ち、こちらも高温でエネルギッシュな恒星カストルBaと、恐らくカストル系で最も小さいと考えられている赤色矮星カストルBbがセットで公転しあっていました。
最後に太陽より小さく低温で赤い光を放つ赤色矮星のペアであるカストルCaとカストルCbも、A,Bから少し離れた位置で公転していました!
というわけで、カストルは2連星系×3つ=6連星ということに!
一つの星に見えて実はこんな複雑な構造が…今度からふたご座を見る目が変わるかもしれませんね。
結論:人も恒星も見かけによらない