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巨大ブラックホールに接近し寿命を奪われた星の死骸を新発見

どうも!宇宙ヤバイch中の人のキャベチです。

今回は「前例がないほど巨大ブラックホールの近くで公転する天体を新発見」というテーマで動画をお送りします。

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いて座A*の周辺事情

これまで見つかっているたくさんの銀河の中心には、ほぼ例外なく巨大なブラックホールがあると考えられています。

それは私たちの住む天の川銀河も同じです。

天の川銀河の中心部には、太陽の430万倍もの質量を持つ超大質量ブラックホール「いて座A*」が居座っていると考えられています。

この見慣れた公転軌道は、ブラックホール被害者の会ですね!

銀河中心のブラックホールの周囲では、多くの星々が無理矢理公転させられています

そんな被害者の会の中でも幹部・会長に値するほどブラックホールの近くで公転している天体として、S2,S62などが挙げられます。

この星たちの公転周期はわずか10年前後、恒星間の単位では極めて短い周期です!

ですが今回新たにGSN 069という銀河中心のブラックホールの周囲では、S2やS62の比ではない圧倒的に過酷な環境にさらされ恒星としての一生を奪われてしまった可哀想すぎる天体が発見されました!

巨大ブラックホールの超至近距離を公転する天体を新発見

Credit:X-ray: NASA/CXO/CSIC-INTA/G.Miniutti et al.;
Illustration: NASA/CXC/M. Weiss;

地球から2億5000万光年彼方にあるGSN 069という銀河の中心部には、太陽の40万倍程度の質量を持った巨大なブラックホールがあると考えられています。

このブラックホールは質量が太陽の100万倍より軽いので、中間質量ブラックホールに分類される、銀河の中心にあるブラックホールとしては極めて小さいブラックホールということになります。

小さいとは言ってもそれは他の銀河中心ブラックホールと比べてという事なので、その破壊力は依然として尋常ではないものがあります。

Credit:X-ray: NASA/CXO/CSIC-INTA/G.Miniutti et al.;
Illustration: NASA/CXC/M. Weiss;

そんなGSN 069中心のブラックホールを観測していると、9時間周期でX線のフレアを放っている様子が捉えられたそうなんですね。

そのX線をさらに分析した結果、ブラックホールの超至近距離を白色矮星がわずか9時間という異常に短い公転周期で楕円形の公転軌道を描きながら公転していることが判明しました!

ブラックホールには、重力があまりに強すぎてそこから光すらも抜け出せない「事象の地平面」という領域があります。

光すら出てこないので外からは真っ黒に見え、一度でもそこに入ると最後、完全に一方通行の世界です。

今回発見された白色矮星は、そんなブラックホールの事象の地平面の半径の15倍という、過去に前例がない超至近距離にまで最大で接近していました。

どうやってそんな状況になった?

この観測結果から想定される、白色矮星がこんな状況に陥ってしまった経緯は一体どんなものなのでしょうか?

この白色矮星は元々、恒星の末期段階である赤色巨星というタイプの恒星だったと考えられています。

そんな赤色巨星は、宇宙空間をさまよっていたところで巨大ブラックホールの重力に捕らえられてしまいました。

その後超至近距離にまで接近し、その後も完全にその軌道から逃れられることはなく、現在の楕円形の公転軌道に落ち着いたと考えられています。

巨大ブラックホールに接近し強烈な重力に晒されることで、赤色巨星は自らの外層を成す水素ガスを全てブラックホールに奪われてしまい、現在のように核融合を起こせなくなった星の核である白色矮星となったそうです!

 

仮にGSN 069の中心ブラックホールが他の銀河中心のブラックホールと同程度の質量を持っていれば、捉えられた星は最終的にブラックホールに飲み込まれていたかもしれないので、そこは不幸中の幸いでしょうか…

このように核融合は起こせなくなったにせよ、天体の形を維持したままブラックホールの周囲を公転する軌道に落ち着く様子というのは、かなり珍しい発見だそうです。

そしてこの白色矮星は、白色矮星となってしまった現在でもブラックホールに接近するたびに物質を奪われていると考えられています。

そんな物質とブラックホールの周囲を取り巻く降着円盤の物質が擦れ合うことでさらに高温になり、9時間という周期的なX線フレアを放っているそうです。

さらに今回の観測から、白色矮星の質量は太陽の0.21倍程度であると推定することができています。

そして水素のガスを奪われている状態なので、白色矮星にはヘリウムが多く含まれていると考えられています。

地球から2億5000万光年も彼方にある1つの白色矮星の質量まで明らかになるというのは、人類の観測技術の凄まじさを感じずにはいられませんね!

これからさらに白色矮星の物質が奪われていくと、白色矮星の性質上さらに直径が大きくなっていき、最終的には木星のようなガス惑星になる可能性もあるそうです。

とはいえその段階に至るまでには実に1兆年という宇宙の年齢の100倍近い途方もない期間が必要になると考えられているので、しばらくは今回の白色矮星はブラックホールの周囲を公転し続けることになりそうですね。

結論:ジャ○アン「お前の物は俺の物」
ブラックホール「それ俺の前でも言えんの?」

情報参照元:https://chandra.harvard.edu/photo/2020/gsn069/

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