どうも!宇宙ヤバイch中の人のキャベチです。
今回は「天の川銀河の衝突事情」をテーマにお送りします。
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目次
天の川銀河はどんな形をしている?
人類が観測可能な宇宙の中には、太陽のような恒星が数億~数兆単位で集まった巨大な恒星の集団である銀河が2兆個ほどあると考えられています。
その中でも私たちの住む太陽系が属する銀河を銀河系、天の川銀河と呼びますが、私たちは天の川銀河の中にいるため、地球からではそれの全貌をみることができません。
そして何より天の川銀河はとてつもなく巨大で、直径で10万光年あります。
1光年は秒速30万㎞、1秒間で地球を7.5周してしまう光の速度でも1年かかる距離で、約9.5兆㎞です。
それの10万倍、恐ろしく巨大な構造ですね。
現在最も地球から遠くにある人工物である「ボイジャー1号」は打ち上げから40年以上たった現在でも太陽系外に向かって秒速17㎞というすさまじい速度で突き進んでいます。
ですがそんなボイジャーでも、地球から1光年の距離に到達するまでになんと実に1-2万年もかかると考えられています!
太陽系の端は太陽を中心とした半径1光年の球状に広がるオールトの雲と考えられているので、太陽系を抜けていません。
それだけ直径10万光年もある銀河は現在の人類では到底脱しようもないほど巨大なので、人類はその全貌を直接捉えることはどうしてもできない現状となっています。
ですが地球から天の川銀河を構成する星々の位置や動きを観測することで、その全貌を掴もうと長らく試みてきました。
ESAが進めるガイア計画もその試みの一つで、なんと天の川銀河にある10億個もの星を観測することを目的としています!
Credit:Stefan Payne-Wardenaar; Robert Gendler/ESO
その結果天の川銀河が一般的な銀河の形状とは異なり、なんと端の方が歪んでいる、まるでポテトチップスのような形状をしていることが判明しました!!
銀河の歪みの原因は何?
ではこの歪みの原因は一体何なのでしょうか?
これを突き止めるために、イタリアトリノの天体物理研究所はガイア計画によって得られた1200万個の恒星のデータを用いることにしました。
その結果、この天の川銀河の歪みはなんとかなり最近の、もしくは現在も進行中の銀河衝突によって引き起こされているということがわかりました!
全く自覚はないですが、まさかこの銀河が今でも衝突中となると面白すぎますね…
Credit:NASA / JPL-工科大学/ロバート·ハート(SSC)
では実際に衝突しているとされる銀河がどこにあるかというと、地球から7万8300光年離れた場所にある「いて座矮小楕円銀河(SagDEG)」だそうです。
画像内の天の川銀河を大きな軌道で公転しているのがSagDEGの軌道となります。
SagDEGは質量が天の川銀河の1000分の1程度、直径は1万光年ほどある銀河の中ではかなり小柄な部類ですが、それでも10億個程度の恒星から成る立派な銀河です。
こんな巨大な構造が近く?にあったなんて、驚きですね!
このSagDEGはすでに天の川銀河と何度も衝突していると見られていて、その結果星の形状が崩れ、星々から成るリング状の構造となってしまっていると考えられています。
そしてその衝突の反動として、私たちの天の川銀河もポテチのような歪んだ形状に至ったのだとのことです!
最終的にSagDEGは天の川銀河に吸収されてしまうそうです。
天文学ではこのような常識を覆すような発見が度々あるので、ロマンが尽きませんね!
衝突してると言ってもほぼ何も起きない!?
ちなみに銀河同士が衝突しても、構成する星々一つ一つがぶつかったりなどの影響はほとんどないと考えられています。
なぜかというと、星々の間隔が恐ろしく広いからです。
先ほど1光年という距離がとてつもなく遠い距離だとわかりましたが、太陽から最も近い別の恒星までは実に4.24光年ほど離れていると考えられています。
この密度を例えると、実に「太平洋の中にスイカが数個」ある程度の密度だそうです。
確かにこれなら、銀河が衝突しようと恒星同士が直接衝突する可能性は低そうです!
なので現在進行中の衝突でも特に太陽系には影響は及んでいませんし、今から45億年後に始まるとされる銀河系とアンドロメダ銀河の衝突でも、特に直接の影響はないと考えられています。
これだけ大規模な現象なのに、デカすぎて小さい世界には大きな影響がない、いかに人類が住む世界が宇宙レベルではちっぽけなのかがわかりますね。
結論:銀河は衝突しても、人間同士は衝突したくないな