どうも！宇宙ヤバイch中の人のキャベチです。
今回は「クエーサーとは何か」というテーマで動画をお送りしていきます！
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そもそもクエーサーとは？
クエーサーは地球から数十億光年～百数十億光年という非常に遠くにある極めて明るい光源です。
平均的なものですらそのエネルギーは太陽の10兆倍、さらに太陽を含む2500億個もの恒星から成る銀河系の全体の明るさの実に1000倍とまさに桁違いのエネルギーです！
その光の正体はとてつもなく明るい恒星なのか、とてつもなく巨大な銀河なのか、長らく不明でしたが、現在では「銀河の中心にある超大質量ブラックホール」であるという説が有力となっています。
銀河系の中心にも「いて座A*」という、太陽の430万倍も重い超大質量ブラックホールがあります。
一度でもその中に入ると重力が強すぎるために光すらも抜け出せない領域である事象の地平面は外から見ると真っ黒に見えますが、その範囲だけでも太陽半径の18倍まで広がっていると考えられています。
が、クエーサーのブラックホールにはいて座A*のさらに100倍以上重いものが多数存在し、大きいものではなんと数百億太陽質量のものまであります！
この規模のブラックホールでは観測史上最も重いブラックホールである太陽の660億倍重いTON 618が有名です。
事象の地平面の半径は質量に比例して大きくなっていくので、TON 618は事象の地平面が太陽系のセドナ軌道まですっぽり入るほど巨大です。もちろん一度でも入ったら終わりです！
こんな巨大なブラックホールは周囲にある大量のガスや塵を強大すぎる重力で引きずり回していて、事象の地平面の周囲を光の速度にも迫る速度で公転させています。
こうしてできたブラックホールを公転する物質たちによる円盤状の構造を「降着円盤」と呼びます。
降着円盤は物質同士が超高速でこすれ合うことで膨大な摩擦熱が生じ、数十億℃もしくはそれ以上の超高温になります。
この巨大なブラックホールを取り巻く降着円盤の莫大なエネルギーが宇宙最大の光となって遥か彼方の地球にまで届いているのです！
つまりクエーサーの正体は銀河ではなく、その中心にある超巨大ブラックホールにやられた方々です。
輝き(物理)に満ちた人生を送りたい方はぜひブラックホールに近付き、降着円盤となるといいかもしれません！
ちなみに全ての銀河中心にある超巨大ブラックホールがクエーサーのように活動的なわけではなく、クエーサーになるためにはブラックホールの周囲にたくさんの物質があるなど条件を満たす必要があるようです。
私たちの住む銀河系のいて座A*も超大質量ブラックホールですが、現在は比較的大人しいことが知られています。
Credit:NASA’s Goddard Space Flight Center
一方で銀河系の上下を包み込むガス構造のフェルミバブルなどつい数百万年前までは非常に活発だったという痕跡があったりもして、現在は研究が進められています！
クエーサーは肉眼で見える？
これだけ明るいクエーサーですが、あまりに遠いため最も明るく見えるクエーサーでも視等級は12.6等級です。
ちなみに視等級は見た目の明るさを示す指標で、値が小さどほど明るく見え、5.0下がるとちょうど100倍の明るさです。
肉眼で見える限界の明るさは6等級なので、12.6等級はそれの500分の1ほどの明るさということになります。
正直6等級でも肉眼で見るのはかなり難しいので、実際は肉眼の限界の500分の1以下の明るさとなりそうです。
とはいえ冥王星の視等級は最大で13.6等級なので、これほどまでに途方もなく遠いのにも関わらず、太陽系内の冥王星よりも明るく見えるのは凄まじいです…
最も明るいクエーサーの明るさはどれくらい？
そんな宇宙で最も明るい天体であるクエーサーですが、それではクエーサーの中でも一番明るいクエーサー、つまり正真正銘宇宙で最も明るい天体はなんでしょうか？
Credit:NASA/JPL-Caltech
それはWISE J224607.57-052635.0という銀河です。
これは地球から見た位置(座標)で名付けられてますが、相当なDQNネームなので以下ワイズとします！
一番明るいクエーサーは結局銀河かよ！？となりそうですが、その明るさのほとんどが銀河中心にある巨大ブラックホールによるものです。恐るべしブラックホール…！
なんとこのワイズ、太陽の350兆倍のエネルギーを誇るそうです！！もはや意味がわかりませんね。
このクエーサーを地球から見たときに太陽と同じエネルギーを受ける距離は、なんと300光年です。
太陽より1700万倍遠くにあって初めて同じエネルギーになります。
宇宙で最も明るい天体の桁違いの威力を実感できましたか？
こんな怪物が宇宙には実在しているのですから、本当に面白いですね。
結論：クエーサーはツエーさー(全米の爆笑)
