宇宙で一番大きい〇〇、宇宙で一番熱い〇〇…
やはり宇宙で一番のものを知ることは好奇心をくすぐられて面白いですし、その規格外のスケールに毎回驚かされます。
そこで今回のテーマは「宇宙一」ということで、宇宙で一番〇〇なものをまとめてみました!
「こんな〇〇も紹介してほしい」などというリクエストや、「ここが間違っている」というご指摘なども、記事下部のコメント欄にて承っております。
目次
宇宙一大きい〇〇
まずは宇宙一大きい〇〇シリーズを紹介していきます。
十分に大きいはずの地球や太陽が小さく見えてしまうほどの巨大さに驚くこと間違いなしです。
宇宙一大きい星
まずは星の比較画像を見てみましょう。
(画像元:wikipedia)
現在、宇宙で最も大きい星は「たて座UY星」だとされています。
この星は地球から9500光年離れたところにあり、その大きさはなんと太陽の約1700倍!
比較画像でも太陽などの他の恒星を圧倒するその巨大さを感じとることができます。
最近までは「おおいぬ座VY星」が最も大きい恒星だとされていましたが、より精密な観測の結果6位にまで陥落し、首位をたて座UY星に譲ることとなりました。
(画像元:wikipedia)
太陽と直接比較するとこうなります。
もはやUY星の全貌が見えないほど巨大ですね。
もしもたて座UY星が太陽の位置にあったら、このように木星までは完全に飲み込み、土星の軌道間近にまで迫るほどの大きさを誇ります。
宇宙一大きいブラックホール
では続いて、宇宙で一番大きいブラックホールについて見てみましょう。
ブラックホールについてはこのサイトでも何度か取り上げているので、他の記事もご覧になってみてください。
ブラックホールに関する記事一覧
(画像元:YouTube)
現在宇宙最大のブラックホールは「S5 0014+81」という名のブラックホールです。
このブラックホールは太陽のなんと400億倍もの質量を持っており、半径はなんと2400億km!!
地球と太陽の距離の1600倍も大きく、太陽と海王星の距離よりも32倍大きい、太陽系をいとも簡単に丸呑みしてしまうまさにモンスターブラックホールなのです。
もちろんこのどでかい黒い部分に飲み込まれてしまったら最後、二度と外には出て来れません。
本当に恐ろしい世界ですね。
関連動画:【宇宙最恐天体】ブラックホールのスケールはこんなにも桁違い!
宇宙一大きい銀河
大きさシリーズのラストを飾るのは「銀河」。
銀河は直径が数万光年というのが当たり前の世界で、先ほどのブラックホールが点に見えるほど巨大な天体です。
そんな特大な銀河の中でも最も大きな銀河とは、一体どれくらい大きいのでしょうか?
(画像元:www.jwinman.com)
現在宇宙最大の銀河は「IC 1101」と呼ばれる銀河で、直径が600万光年あります。
私たちの銀河系(直径約10万光年)やアンドロメダ銀河(直径約25万光年)は十分に大きい銀河ですが、それすら点に見えてしまうほど巨大です!
さらにこの銀河は銀河系の300倍以上である100兆個もの恒星で構成されており、質量も銀河系の約100倍もあるそう。
まさにあらゆる面で規格外のスケールを誇る銀河でした。
宇宙一熱い〇〇
お次は宇宙一熱い〇〇シリーズを紹介していきます。
これを見ればいかに地球が奇跡的な適温下にあるかが実感できるはずです。
宇宙一熱い惑星
まずは宇宙一熱い惑星から。
惑星は自ら高温を発することがないため、恒星と比べるとその温度はかなり下がります。
現に太陽系で最も熱い金星でも、その表面温度は約430度です。
それでも人間にとっては想像を絶するほど熱いですが…
しかし宇宙にはほぼ恒星と言っていいほどの熱さを誇る惑星が存在します。
(画像元:NASA)
その惑星は「KELT-9b」と呼ばれ、地球から約650光年離れた「KELT-9」という恒星の周りをわずか約1.5日という短周期で公転しています。
この惑星は地球と月の関係のように主星に対して常に同じ面を向けており、昼側の面ではなんと表面温度が4300℃にも達するそう。
これは下手な恒星並みに熱い、まさに規格外に熱い惑星と言えます!
宇宙一熱い恒星
続いては最も熱い恒星を紹介します。
恒星は平均的なものでも数千℃と、惑星と比較すれば桁違いに熱い天体です。
そんな熱い恒星の中でも最も熱い恒星はどれくらい熱いのでしょうか?
(画像元:Astronomy Now)
現在最も熱い恒星とされるのはこちらの「RX J0439.8-6809」という名の白色矮星。
なんともヘンテコな名前ですがその実力(?)は本物で、その表面温度は25万℃にも達します。
これは激アツな太陽の約42倍にもなる超高温で、太陽の位置にあれば地球など瞬時に灼熱の惑星に変わってしまいそうです。
宇宙一熱い星
今回「恒星」と「星」を分けたのは、最も熱い星が恒星ではないからです。
(画像元:wikimedia)
最も熱い星は中性子星だとされています。
超新星爆発の際に条件が揃うと形成される天体で、中性子だけで形成される超高密度天体です。
その表面温度は1000万℃近くにもなり、密度はスプーン1杯で10億トンにもなるほど!
そしてその核では、温度が8億℃にも達するそうです。
全てがあまりに規格外すぎてもはや想像すらできません汗
温度の上限
宇宙にはこれまで紹介した以外にも超新星爆発、ブラックホールが発する宇宙ジェットなど、高温の世界が無数に存在していますが、キリがないので最後は温度の上限について紹介していきます。
温度には絶対零度と呼ばれる下限があって、-273.15℃以下にはなりません。
そして実は温度には上限もあると考えられています。
(画像元:YouTube)
宇宙全体のエネルギーの総和は変わらないため、その全てが一点に集まっていたビッグバン直後の温度が温度の上限となります。
これはプランク温度と呼ばれており、1.416808×10^32℃だとされています。
あえて日本語でいうと1溝4168穣℃となり、これは1兆℃の1兆倍のさらに1億倍の温度です。
桁が大きすぎてもはや何が何だかよくわかりません笑
ご覧のように、温度というのは下限に対して上限が極めて大きいです。
そのため地球のように水が液体で存在できる環境はまさに奇跡的なバランスの元でしか成り立たず、限られた場所にしかないのです。
宇宙一寒い場所
ここまで高温の世界ばかり紹介してきましたが、宇宙というのは基本的に寒いです。
近くに恒星などの熱源がない限りあっという間に極低温の世界になってしまいます。
例えば水星では太陽光の当たる昼間の面では430℃にもなりますが、太陽光の当たらない夜の面では-170℃にまで下がってしまうのです。
太陽などの熱源から遠ければもっと寒くなるのは容易に想像できますね。
それではそんな寒い宇宙の中でも最も寒い場所はどこなのでしょうか?
(画像元:wikipedia)
現在宇宙で最も寒い場所は、地球から約5000光年離れた「ブーメラン星雲」だとされています。
ハッブル宇宙望遠鏡が捉えたこの天体の画像はなんとも美しいですね。
ブーメラン星雲での温度はなんと-272℃と、絶対零度(-273.15℃)と1℃程度しか変わらないまさに極限にまで冷え切った世界となっています。
この天体の中心部からは外側に向かって毎秒164kmという爆速でガスが膨張していて、それにより温度がここまで下がってしまったとされています。
宇宙一明るい〇〇
お次は宇宙一明るい〇〇シリーズを紹介していきます。
身近で明るいものといえば何と言っても太陽ですね。
地球から1億5000万kmも離れているにもかかわらず、満月の50万倍の明るさで私たちの地球を照らし続けてくれているまさに全生命の母とも呼べる星です。
しかし、宇宙では太陽など比較対象にすらならないほど眩しく輝く天体が無数にあるのです。
宇宙一明るい星
まずは宇宙で最も明るい恒星を紹介します。
太陽も恒星の一つですが、一体宇宙一は太陽の何倍の明るさを誇るのでしょうか?
(画像元:solstation)
諸説ありますが、現在最も明るい恒星だとされているのは地球から45000光年離れた場所にある「LBV 1806-20」という名の星です。
この星の明るさは最大でなんと太陽の約4000万倍!
太陽の位置にあれば、地球が瞬時に蒸発してしまいそうな恐ろしいスケールです。
この星の大きさは太陽の約150倍、質量は約120倍あるとされています。
あまりに高いエネルギーを放出し続けているため、寿命はわずか数百万年程度と恒星にしては極めて短命です。
ただ、このLBV 1806-20はせいぜい太陽光度の200万倍程度しかないという説もあります。
それでも十分すぎるほど明るいですが…
宇宙一明るい超新星爆発
続いては最も明るい超新星爆発を紹介していきます。
超新星爆発といえば天文現象の中でも最大級のエネルギーを放出する現象で、太陽の8倍以上の質量を持つ恒星が一生を終える時に発生すると言われています。
ここから銀などの鉄よりも重い元素が生まれたり、中性子星やブラックホールが発生したりします。
現在の宇宙の形成に極めて大きな役割を担ってきた現象です。
ただでさえ桁違いのエネルギーを誇る超新星爆発ですが、宇宙最大の超新星爆発は一体どれほどまでに明るいのでしょうか?
(画像元:Astronomy Now)
観測史上最大の超新星は、地球から約38億光年も離れた「ASASSN-15lh」です。
この超新星爆発の明るさはなんと太陽の5700億倍!
上の画像は爆心地から1万光年も離れた場所から爆発を見た場合の想像図だそうですが、これだけ離れていてもはっきりと眩しすぎるほどその輝きを観測できてしまうんですね。
この爆発は平均的な超新星爆発の約200倍明るく、私たちの銀河系の明るさの20倍も明るいとのこと。
たった一つの天体で約2000億の恒星が含まれた銀河の明るさを優に超えてしまうとは、本当にとてつもないスケールです。
(画像元:NASA)
最近ではこの明かりは超新星爆発によるものではなく、太陽の1億倍以上の質量を持つ超巨大ブラックホールが太陽程度の比較的小さい恒星を飲み込み破壊したために発生した明るさだという説も出てきています。
いずれにせよ恒星一つで銀河全体を超える明るさの光を発することができるのは、まさに宇宙の神秘ですね!
宇宙一明るい銀河
明るさシリーズのラストは銀河に締めてもらいましょう。
数千億から数兆個の恒星の集団ですから、当然その明るさも桁違い。
200万光年離れたアンドロメダ銀河が地球から辛うじて肉眼で見えるほどです。
先ほどは超新星爆発に明るさで負けてしまいましたが、今度は宇宙一でリベンジとなるでしょうか?
(画像元:wikipedia)
現在宇宙一明るい銀河は、地球から約125億光年も離れた「WISE J224607.57-052635.0」です。
もうめちゃくちゃな名前ですがちゃんとした正式名称です笑
この銀河は銀河系より小さいにもかかわらず、銀河系の約1万倍、太陽のなんと約300兆倍以上の明るさで輝いているというのです!
(画像元:wikipedia)
これほどの明るさは、銀河を構成する星からというよりは、銀河の中心にあるクエーサーから発せられているそうです。
クエーサーというのは宇宙で最も明るい天体として知られますが、あまりに遠くにあるためその仕組みはまだはっきりとは解明されていません。
ただ現在では超巨大ブラックホールに大量の物質が吸い込まれた際に発される明かりであるという説が有力です。
「WISE J224607.57-052635.0」はそんなクエーサーの中でも最大のもので、これほどの規模の明るさを誇っているのですね。
宇宙一速い〇〇
お次は宇宙一速い〇〇シリーズです。
今のところ人類が手に入れた最高速が70km/sで、これは地球で考えるととてつもなく速いですが、この速度ですら遅すぎると感じてしまうほど宇宙は高速の物で溢れているのです。
宇宙一速く移動する星
(画像元:YouTube)
地球は太陽の周りを約30km/sという速度で公転し、太陽系自体も銀河系の中心を約230km/sの速さで公転しています。
地球規模の日常生活で考えるとわかりやすいですが、とてつもなく速いスピードです。
観測されるほとんどの星が銀河系の中心を公転していますが、中には速すぎて銀河系の巨大な重力すら物ともしない恒星もあります。
今回取り上げる観測史上最速の星も例外ではありません。
【観測史上最速の星】
「US 708」という星は、秒速1200kmという猛スピードで天の川銀河から離脱しようとしている。
この観測史上最速の星は音速の約3500倍と、地球と月の間をわずか5分で移動できるほど速い。
動画元:https://t.co/OFdcAq9xwI pic.twitter.com/JraNWhBKyp— 宇宙雑学bot (@astronomy1248) 2017年10月27日
現在発見されている中で宇宙最速の星は「US 708」という星です。
そのスピードは毎秒1200km、時速でいうと430万kmにもなります。
これは音速のなんと約3500倍です。
このUS708は上記の動画のように、超新星爆発の爆風に後押しされた形でここまで加速したと考えられています。
宇宙一速く自転する星
今度は宇宙一高速で自転ている星を紹介します。
ちなみに地球は1日1回転、赤道付近で時速1700kmで自転しています。
すでに音速を超えていて相当な速度ですが、もっと高速で自転する天体はいくらでも存在します。
現在宇宙一自転が速いとされている天体は、「PSR J1748-2446ad」という中性子星です。
地球から18000光年彼方にあり、直径は32kmと推定されています。
この中性子星はなんと毎秒716回転という異次元の速さで自転を続けており、表面では自転速度は光速の24%である72000km/s!!
中性子星は何から何まで規格外の非常に興味深い天体ですね。
中性子星の凄さについてさらに詳しく解説した動画はこちら
宇宙一強い〇〇
最後は宇宙一強い〇〇シリーズをお送りします。
それはそれは普段の日常では到底想像もつかないような恐ろしい世界が広がっていますよ。
宇宙一風の強い惑星
まずは宇宙一強い風が吹き荒れる惑星を紹介します。
その前にまずは地球での最大風速を見てみましょう。
(画像元:YouTube)
地球上で観測された最大風速は1999年にオクラホマ州で発生した竜巻ですが、その風速は時速484km。
では宇宙一の風はどれほどの風速を誇るのでしょうか?
(画像元:YouTube)
観測史上最大の風が吹き荒れる惑星は、「HD 189733 b」と名付けられています。
この惑星では音速のなんと29倍の時速35500km、秒速でも10kmという想像もつかないほどの暴風が吹き荒れているとか!
先ほどの地球史上最大の風速と比較しても73倍以上と、もはや想像すらつかない暴風です。
関連記事:地球ではあり得ない驚愕の現象が起こる太陽系外惑星5選
宇宙一磁力が強い星
お次は宇宙一の磁力を紹介します。
磁力を表す単位は「T(テスラ)」で、最強の磁石であるネオジム磁石が1T、人類の科学力が生み出した最強の磁力でも100T程度であることを頭に入れておいてください。
宇宙最大の磁場を発する天体は「マグネター」と呼ばれる中性子星で、特に現在最強だとされているのは「SGR 1806-20」と呼ばれるマグネターです。
このマグネターの放つ磁力はなんと8×10^10(800億)T!
これは地磁気の2000兆倍という途方も無い強さの磁場で、半径1000km以内に近づいただけで人間はその力で原子レベルで引き伸ばされてしまいます。
関連動画:中性子星とマグネターについてより詳しく解説した動画はこちら
いかがでしたか?
まさに天文学的数字がたくさん出てきて、宇宙の偉大さを再確認できたかと思います。
冒頭でも書きましたが、「こんな宇宙一の〇〇も知りたい!」というリクエストや「ここが間違っている」というご指摘を、記事下部のコメント欄で常時承っております。
最後まで読んでいただきありがとうございました!