私たちの住む地球では、絶対に起こり得ないことがたくさんあります。
しかし地球上で起きないからといって、地球外の他の惑星でも同様に起きないとは限りません。
宇宙というのは私たちが思うよりもずっと奇妙なものなのです。
今回はそんな地球では起こり得ない奇妙な現象に溢れた惑星を5つ、絵付きでわかりやすく解説した動画を日本語訳していきます!
5 “Impossible” Things That Can Happen On Other Planets
目次
影が二つできる惑星
日中、影というのは人も犬もビルも、どんな生き物や物体でも1つしかできません。
これは太陽が一つしかない他の太陽系の惑星でも同じことがいえるでしょう。
何を当たり前なことを言っているのかと思われてしまいそうですが、この当たり前が一歩太陽系を出ると当たり前ではなくなってしまうかもしれないのです。
毎日眩しい夕陽に照らされるなど、スターウォーズに出てくる「タトゥイーン」という惑星のようにフィクションの世界での現象だとしか考えられていませんでした。
しかしその考えは「Kepler-16b」という惑星が発見されるまでのお話。
これは異なる二つの恒星を公転する、現実に存在する惑星なのです。
もしもあなたが突然この惑星に瞬間移動したら、極低温と呼吸するための空気の欠如によりすぐになくなってしまうでしょう。
しかしもしも宇宙服を着て生存できたなら、二つ影ができるという奇妙な光景を楽しむことができます。
熱い氷が存在する惑星
次に紹介するあり得ない惑星「GJ 1214 b」では、地球の太平洋が水たまり程度にしかならないほどの大量の海が存在します。
とはいえ地球でも表面の7割が海洋であるため相当な量の海水があると思われますが、この海水は地球全体の重さの約0.05%程度に過ぎません。
しかしGJ1214bでは直径が3万4160kmと地球の3倍近くも大きいにもかかわらず、なんと質量全体の10%にも相当する量の海水で覆われているというのです!
なぜならGJ1214bでは海底の深さが数百kmにもなるからです。
対する地球は最も深くて11kmですから、それがいかに果てしなく深いかがわかります。
そんな浅い海底ですらバケモノのような深海魚がいたり、人間を横に39人並べたほど巨大なクジラがいたりと信じられない世界が広がっています。
ではGJ1214bの海底では一体どんなモンスターが生息しているのでしょうか?
想像すらできませんが、液体の水が大量に存在する以上可能性は十分にあるはずです。
さらに奇妙なことに、この惑星では海があまりに深いため海底の水圧が尋常じゃなく高まっており、液体の水が個体の氷に変化しているというのです。
この氷は「氷VII」と呼ばれ、3万気圧以上の超高圧の世界で生じます。
私たちの知る氷は当然冷たいですが、この氷VIIは全く冷たくありません。
こんな氷は地球のどこを探しても見当たりませんが、GJ1214bでは当たり前に存在するのです。
溶岩や岩石の雨が降り注ぐ惑星
猛烈な嵐や雷など、私たちの地球でも時に極端な気候が人間を脅かす時があります。
しかしこれは宇宙全体に目を向けるとまだまだ可愛いものです。
その一例が「CoRoT-7b」という惑星です。
この惑星では水の雨の代わりに、なんと岩の雨が降っているというのです!
想像しただけで恐ろしいですね…
その理由はCoRoT-7bの特殊な環境にあります。
この惑星は主星である「CoRoT-7」との距離が太陽と水星の23分の1しかなく、昼側の面の温度が2600℃にも達すると考えられています。
さらに主星の強い潮汐力によって常に同じ面を向けているため、夜側の面では昼側に比べてはるかに低い177℃程度しかないとされています。
昼側ではあまりの熱に岩石が蒸発し、地球と同じように気体の岩石から成る雲ができます。
この奇妙な雲からは地表に向かって液体の岩やマグマが降り注ぎます。
しかし夜側の面ではマグマよりもずっと温度が低いので、地表に達する前に岩やマグマは凝固し、岩の雨が降り注ぐ結果となるのです。
このようにCoRoT-7bは宇宙で最も地獄に近い場所であると感じるかもしれませんが、おそらくもっとはるかに過酷な環境であろう惑星が存在すると言います。
ガラスの雨が音速の7倍のスピードで吹き荒れる惑星
地球から63光年離れた場所にある「HD 189773 b」は木星よりも少し大きく、宇宙から見た外見は美しい惑星です。
しかしその美しさの裏には恐ろしい秘密が隠されています。
HD189773bがこの見た目をしているのは、大気が主にケイ酸塩粒子で構成されているからです。
このケイ酸塩粒子の風は、音速の7倍の速さである時速約8700km、秒速で2kmというとてつもない風速で吹き荒れています。
さらに温度も930℃と、見た目とは裏腹な過酷な環境が待ち構えているのです。
しかしこの惑星の最も恐ろしいのは、横殴りのガラスの雨が2km/sの速さで降り注いでいるという点。
もしもそんな嵐が地球上に発生したら、後ろにガラスの破片の痕跡を残しながら赤道をわずか5時間33分で一周してしまいます。
HD189773b、見かけによらず本当に恐ろしい惑星です!
しかしこの嵐でも、さらに強い嵐が吹き荒れる惑星の前では霞んで見えるとか…
宇宙一の暴風が吹き荒れる惑星
この「HD 189733 b」という惑星では、今まで見つかった中で最も強い宇宙一の風が吹き荒れていると言われています。
先ほどの「HD 189773 b」とは数字が1つ違うだけのとても紛らわしい名前です笑
このHD189733bはガス惑星で、昼間の面ではその温度が966℃に達します。
先ほどの石の雨が降り注ぐCoRoT-7bと同様常に主星に対し同じ面を向いているため、本来であれば夜側の面は昼側の面に比べて温度がかなり低くなるはずです。
しかしこのHD189733bの夜側の面では688℃と、日がずっと当たらないのにもかかわらず昼側の面との温度差がそこまで大きくありません。
その謎を説明するのがこの惑星に吹き荒れる宇宙一強い風なのです。
この風は音速のなんと29倍の時速35500km、秒速でも10kmという想像もつかないほどの暴風!
先ほどのガラスが吹き荒れるHD189773bと比較しても5倍の風速を誇っています。
地球上で観測された最大風速は1999年にオクラホマ州で発生した竜巻ですが、その風速は時速484km。
HD189733bの暴風の73分の1以下にすぎません。
もしもあなたが怪盗キッドばりにカイトを使いこなし、この宇宙一の暴風に乗って地球を周ったら、わずか1時間8分で1周できてしまうほどの恐ろしい速さです。
いかがでしたか?
確かに過酷な場合もあるとはいえ、地球の環境が宇宙規模で言えばどれだけ人類に適した素晴らしい環境であるかがおわかりいただけたかと思います。
今回は宇宙一の「風速」が出てきましたが、他にも色々な宇宙一があるので、気になった方は以下の宇宙一まとめの記事もご覧ください。
関連記事:色々な宇宙一をまとめてみた