今回は初期の宇宙に存在したと仮定されている激ヤバ恒星「Quasi-star」について動画を作成しました!
こいつは本当に恐るべきスペックを持っています…
Quasi-starが存在したとされる根拠
かつての宇宙にQuasi-starが存在していたとされる根拠は、銀河系の中心にあるいて座A*やS5 0014+81のような太陽質量の400万倍以上重い超大質量ブラックホールの存在です。
そのような超大質量ブラックホールがどうやってできたのかは未だにはっきりしていませんが、その存在を説明する一つの仮説がQuasi-starの存在です。
Quasi-starの驚愕の構造
Quasi-starの中心にはなんと「ブラックホール」があるとされます!
内に秘めるブラックホール、なんと厨二感の強い星でしょうか?
なぜ中心にブラックホールがあるかというと、初期の恒星は質量が現代の物より「遥かに」巨大な物が多かったからです。
通常の大質量星の最期には核が崩壊しこのように周囲の外殻を吹き飛ばす(俗にいう超新星爆発)はずが、さらに十分に質量が大きいと外殻が丈夫で内部からの爆発圧に耐えるそうです。
その場合核が崩壊してブラックホールが内部に形成された後も、外から見たら爆発は起きずに星の形自体は保たれたままになります。
それ以降もブラックホールが周囲の物質を飲み込む際に発する強大な星内部からのエネルギーと重力の外圧とが釣り合い、圧縮されずに星自体は存在し続けます。
なのでQuasi-starは普通だったら死んでいるはずの、ゾンビのような星だということですね!
お前はもう、死んでいるのに…
ですがこの星は徐々に中心のブラックホールに内側から吸い込まれていくため、数百万年しか存在できないそうです。
寄生虫に殺されるような怖さがあるな…
Quasi-starの規格外のスペックの数々
では考えられているQuasi-starの具体的なスペックを紹介します!
温度は4000Kと、現在の赤色巨星に近い温度だったとされています。
これはまあありふれた値ですが、Quasi-starのヤバさはこんなもんではありませんよ。
では気になるその質量ですが、少なくとも太陽質量の1000倍あったそうです!
現在最重量の恒星R136a1でも250倍とかなので、まさに桁違いですね。
そういった巨大質量があったからこそ、いて座A*のような超大質量ブラックホールがスムーズに形成されたと考えられています。
さらに大きさは太陽の7000倍以上もあったとか…
左側にある現在見つかっている中で最大の恒星であるたて座UY星ですらせいぜい1700倍なので、いかに巨大かがわかります!
さらにこの星1つで小さい銀河と同等の明るさで輝いていたそうです。矮小銀河でも億単位で星があるので、明るさはさらに桁違いですね!
重さも大きさも明るさも現代の恒星とは比較にならない、ロロノアゾロもびっくりの三刀流スーパースター、それが「Quasi-star」です。
現存するQuasi-starと似た恒星
このタイプの星は現代の宇宙にはありませんが、似た構成の星なら今でもあります。
それはソーン–ジトコフ天体と呼ばれ、中心に中性子星があるとされます。
実在する星では「HV 2112」と呼ばれる赤色超巨星が最有力候補です。
ただしソーン–ジトコフ天体は赤色巨星・超巨星に外部から中性子星が侵入してくることで生じるため、Quasi-starとは形成過程が全く異なります。
もしも太陽の位置にQuasi-starがあったら
では何もかも規格外なこのハイスペック天体がもしも太陽と入れ替わったらどうなるのかを検証していきます!
Oh…画面がQuasi-starで埋め尽くされてしまいました!
次々と惑星の公転軌道が見えてきますが、Quasi-starの全貌は依然として全く見えてきませんね。
ついには木星の軌道まで見えてきましたw
その後も次々とガス惑星の公転軌道までが見えてきて…
ようやくその全貌が見えてきました!
一体どんだけデカイんだ…(歓喜)
やっと全体が見えましたね。と思ってよく見たら天王星や海王星の軌道までもが内部に…?
まさかの惑星が瞬時に全滅です!
というのもQuasi-starの半径はなんと少なくとも32AU以上あるそうなのです!
海王星の公転軌道の半径が30AU弱なので、太陽系の全惑星が飲み込まれることに。
そして止めていた時間を動かし始めた瞬間、内部の天体たちが全滅してしまいました!
グッバイearth、フォーエバーplanets。
冥王星はギリギリのところで運よく吸収を免れたようですね。
ではちょっくら生存者の様子を見に行ってみましょう!
Oh… 高温にされされすぎてほんのり輝いていますね。
冥王星すら修造化させるQuasi-starおそるべし!
その後時間の経過を早めると、一気に恒星のような色で輝き始めました!
というのもこの修造と化した冥王星の温度は4000度を超えているので無理もないですw
すでに高温で散々な生き残り‘sですがさらにその軌道を表示すると、なんと全ての天体がQuasi-starに飲み込まれる運命にありました!
なんという無慈悲ぃ…
というのもQuasi-starの質量は少なくとも太陽の1000倍以上あるとされているので、その強大すぎる重力により周囲の天体は容赦なく引き寄せられてるわけですね。
このようにQuasi-starの出現により太陽系は文字通り何もなくなってしまいました!
Quasi-star「…なにも!!!な”かった…!!!!」
Quasi-starのハビタブルゾーン探し
では地球が適正温度になる距離感を測ってみましょう!
まずは主星から1000AU(1AU=1.5億km)の場所です。
うん。560度とかすってもないですね!
最終的にはなんと主星から13000AUの地点で適温になりました!
1光年が約63000AUなので、ほぼ恒星間の距離も離れてやっと適温になれるってことですね。
まあ適温言うても30度と今の地球よりはだいぶ暑いですが、そこはご愛嬌!
ではQuasi-starが太陽となった真・太陽系の地球からその光景を覗いてみましょう。
0.2光年離れていてもただの点ではなくちゃんと形が見えますね!デカスギィ!
内側の地球の公転軌道の表示を消すとよりわかりやすく見えます。
ちなみにこの地球の公転軌道は47145年でした!
途方もない周期ですが、実在する惑星の最長公転軌道は90万年なので、意外とそうでもない?(感覚のバグ)
Quasi-starの質量がヤバすぎて、これだけ離れていてもかなりの速度で公転しなければ中心に落ちていくため、そこまで記録が伸びなかったと考えられます。
最後にこの地球に降り立って空を見上げながらお別れです。
Quasi-starが赤い星なので、地球全体も夕日のようにほんのり赤く染まっていますね。風情を感じる…
まとめ
Quasi-starはあくまで仮説上の天体なのでこういった規格外の天体が初期宇宙にあったという確証はありませんが、ロマンが溢れる面白い天体ですよね!
現在も過去も未来の宇宙も、宇宙には人類をワクワクさせてくれる天体であふれているようです。
結論:誰かQuasi-starの和訳教えてくれ
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