どうも!宇宙ヤバイch中の人のキャベチです。
今回は「光速の99%を超えた宇宙ジェット」というテーマで動画をお送りしていきます!
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目次
超大質量ブラックホール関連で、宇宙ジェットという現象があります。
そんなジェットの凄まじい威力について新たなニュースが飛び込んできたので、宇宙ジェットの仕組みにも軽く触れつつ解説していきます!
宇宙ジェットの仕組み
宇宙ジェットとは、天体から細い形状をしたガスが、高速で吹き出している現象のことをいいます。
宇宙ジェットの中心になる天体にはブラックホール以外にも、原始星や中性子星などがあります。
ブラックホールには事象の地平面という、この中に入ると重力が強すぎて光すらも出ることの出来ない領域があります。
事象の地平面から離れたところでは物質は公転可能で、これらの物質によって降着円盤というリング状の構造が形成され、ブラックホールの周囲を渦巻いています。
降着円盤の物質は、ブラックホールのあまりの重力のために超高速で公転し、お互いが摩擦することで超絶高温で観測可能なほど明るくなっています。
超大質量ブラックホールにもなると、その降着円盤の温度は数十億℃を超えるとか!
実は降着円盤の物質の多くはブラックホールに吸い込まれず、ブラックホールの極方向に伸びる磁力線をたどって上下に勢いよく放出されます!
これが宇宙ジェットの仕組みです。
ジェットは連続的に放出されるのではなく、不規則に発生するといわれています。
ですので、画像のようにいくつかの結び目のような形で観測されています。
M87の宇宙ジェットのヤバさ
今回話題になっているのは、地球から5500万光年彼方にあるM87という銀河の中心ブラックホールから放出されている宇宙ジェットです。
M87ブラックホールは、2019年4月に人類史上初めて直接観測されたブラックホールとして、大ニュースになっていました!
そしてハッブル宇宙望遠鏡の観測によると、M87宇宙ジェットは、なんと5000光年にも渡って伸びているそうです。
肉眼で見える星々のほぼ全てが3000光年以内にあるので5000光年がどれだけ広い範囲なのかがわかりますね!
ちなみに1光年とは、光が1年間に進む距離のことで、kmに換算すると約9兆5000億kmです。
5000光年をkmに換算すると約4京7303兆6500億km!
京なんて単位は日常ではほぼ見慣れないですが、宇宙では普通に出てきます。宇宙ヤバイ!
宇宙ジェットの速度は光速の99%越え!?
M87宇宙ジェットのヤバさはこれだけではありません。
今回の主題はその速度です!
ジェットの様子を観測し、見た目の錯覚などを除いてその正確な速度を割り出すと、なんと光速の99%以上という結果を得たそうです!
つまりジェットは質量を持つ物質が到達しうる速度のほぼ上限に達していることに!
以前からジェットの速度が光速の99%に近いという予想はされていましたが、実際に観測によって示されたのは今回が初めてだそうです。
物質の速度が光速度に近づくほどエネルギーは大きく増大していくので、宇宙ジェットのエネルギーがいかに物凄いことになっているのかがわかりますね。
また、ジェットの勢いはブラックホールが巨大であるほど強い傾向にあります。
今回観測の対象となったM87ブラックホールは天の川銀河中心のブラックホールいて座A*のなんと1500倍にもなる太陽の65億倍の質量を持っています!
そして、大きさは直径400億㎞、太陽から海王星までの距離でも45億㎞とかなので、太陽系惑星をすべて容易に飲み込むほどの巨大さです!
本当に超大質量ブラックホールの世界は恐るべき性質ばかりでした。
いかがでしたか?
M87ブラックホール以外にも銀河の中心核を成すような超大質量ブラックホールは光速度に近いジェットを放出するといわれています。
今後の観測も楽しみですね!