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観測史上最大のブラックホールを地球に近い宇宙で新発見!!

どうも!宇宙ヤバイch中の人のキャベチです。

今回は「地球近傍で史上最大のブラックホールを新発見」というテーマで動画をお送りしていきます。

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巨大銀河に潜む巨大なブラックホール

地球から約7億光年ほど離れた所にある「Holmberg 15A」という銀河は、巨大な楕円銀河として知られています。

(Credit:Matthias Kluge/USM/MPE)

私たちの住む天の川銀河にある恒星の総質量は太陽の1000億倍ほどですが、Holm 15Aの恒星の総質量は太陽の2兆倍もあるそうです!

ちなみに画像のど真ん中に表示されている巨大で明るい銀河がHolm 15Aです。

存在感があります!

(Credit:MPE)

そしてこの銀河には不思議な点があり、中心部がやけに低密度であることです。

似たような銀河には数百~数千光年程度の直径を持つコアがあるのに対し、この銀河については15000光年もの範囲で淡いコアが広がっていたそうです。

グラフの横軸は銀河中心部からの距離、縦軸は明るさを示していますが、このように赤線で示されたHolm 15A中心から広い範囲にかけて、低密度で明るさ控えめのコアが広がっていることが読み取れます。

この理由として予想されていたのは、過去に起きた銀河同士の合体でした。

銀河の中心にあったブラックホールが連星を成すと、その重力で周囲の星々は銀河や銀河核の外に吹っ飛ばされてしまい、広い範囲で低密度なことにもつじつまが合います。

その後連星ブラックホールは合体し、より巨大な一つのブラックホールへとなったと考えられていました。

その予想のもとでHolm 15Aの中心部を公転する星々の公転速度から中心部に居座る天体の質量を直接求めたところ、なんと太陽の400億倍という、桁違いの質量を持つ特大のブラックホールがあることが判明しました!!

このブラックホールは、周囲の恒星の公転の様子から直接質量を計測したブラックホールとしては、史上最大質量となります。

例えば太陽質量の660億倍の質量を持つとされる観測史上最重量のTON 618など、今までに知られてるHolm 15Aより巨大なブラックホールは周囲の星の総質量を用いるなど様々な方法で間接的に求めているため比較的精度が低いんですね!

さらにTON 618は地球から104億光年も離れた場所にあると考えられているのに対し、Holm 15A7億光年しか離れていないので、このスケールのブラックホールの発見にしては非常に距離が近いことも計測の精度を上げています。

Holm 15Aのブラックホールの大きさはどれくらい?

では、Holm 15Aにある太陽の400億倍の質量を持つブラックホールはどれくらいの大きさがあるのでしょうか?

実際に他の天体と比べてみましょう!

まずは太陽の430万倍の質量を持つ、私たちの銀河系の中心にあるブラックホール「いて座A*」は、その事象の地平面(黒く見える部分)の半径が、太陽の18倍ほどあります。

ではHolm 15Aのブラックホールはどれくらいの大きさになるのでしょうか?

太陽系のシミュレーションの中に再現すると

なんと、太陽系に表示されている全ての天体を軽々と飲み込んでしまうほど巨大であることがわかります!!

地球から遥か外側にある冥王星やさらに遠いエリスやセドナまで、発見されている全ての天体が丸のみです。

その事象の地平面の半径は、なんと790AUにもなります!

1AUは地球と太陽の距離なのでその790倍で、冥王星ですら平均で太陽から40AUほどしか離れていません。

これだけ簡単に丸呑みしてしまうのも納得ですね。

ちなみに桁がインフレしすぎて逆にイメージが湧きにくくなるかもですが、1AUは約15000万㎞なので、790AUを㎞で表すと1185kmでした!

ブラックホールの事象の地平面に一度でも入ってしまえば最期、そこからは宇宙最高速度を誇る光の速度をもってしても抜け出せないので、中から逃げ出す術はもうありません。

そんな恐ろしい事象の地平面が太陽系全てを覆いつくすほど巨大なブラックホールが、この宇宙にいくつも実在しているのはおそらく紛れもない事実でしょう。

本当に宇宙はヤバいですね!

ちなみにブラックホールの構造についてより詳しく知りたい方は、以下の記事から合わせてご覧ください!

ブラックホールとはそもそも何?内部や外部の構造はどうなってるの?

 

結論:Holm 15A「私ブラックホール、あなたの近くにいるの」

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