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超遠方の初期宇宙にて「あり得ない形の銀河」を新発見!?

どうも!宇宙ヤバイch中の人のキャベチです。

今回は「初期宇宙にて見つかったあり得ない形の銀河」というテーマで動画をお送りしていきます。

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初期宇宙で発見されたあり得ない銀河

現在広く支持されている銀河形成にまつわる定説によると、宇宙初期では多くの銀河や熱いガスの塊同士が頻繁に衝突を起こしていたと考えられています。

実際にこれまでの観測では、超遠方の初期宇宙で観測された多くの銀河は激しい合体を繰り返していて、まるで大破した列車のような状態になっているのだとか!

私たちの住む天の川銀河のように巨大で安定した回転をする「回転円盤銀河」は、多くの銀河がぶつかり合って融合し、長い年月を経てようやく形成されると考えられています。

定説に基づけば天の川銀河のような銀河になるには宇宙誕生から60億年以上もの年月を経る必要があり、このような銀河は初期の宇宙には存在していないはず、ということになります。

Credit: ALMA (ESO/NAOJ/NRAO), M. Neeleman
; NRAO/AUI/NSF, S. Dagnello

ですが今回大型の電波望遠鏡であるALMA望遠鏡は、なんと地球から124億光年も彼方、宇宙が誕生してから現在の年齢までの1割しか経過していない初期の宇宙にて天の川銀河のような安定した回転円盤銀河を発見しました!

新たに見つかった円盤銀河はDLA0817g、もしくは2014年に亡くなった天文学者のArthur M. Wolfe氏にちなんで「ヴォルフェ円盤」と呼ばれています。

さらにALMA望遠鏡の高い観測技術によって、ヴォルフェ円盤が秒速272㎞という、天の川銀河と同程度の速度で回転していることも明らかになりました!

既存のモデルの見直しが必要かも

今回初めてこのような円盤銀河がはっきりと観測されたということもあり、ヴォルフェ円盤のような銀河こそが初期宇宙においては珍しいタイプの銀河であると思われるかもしれません。

Credit:NASA, ESA, and J. Olmsted (STScI)

ですが実はそうでもなくて、私たちが超遠方の宇宙にて良く観測できる「クエーサー」のような天体こそが、珍しいタイプの銀河である可能性があるようです。

クエーサーが地球から良く観測できるのは、それ自体が宇宙一明るい天体と呼ばれるほどずば抜けて明るいからです。

Credit: NRAO/AUI/NSF, S. Dagnello
※これは想像図です。

比較的穏やかなヴォルフェ円盤も、さらに遠いクエーサーの光を調べていた時に偶然にもその光の一部がヴォルフェ円盤の周囲にある水素ガスに吸収されていたことから、間接的にその存在が明らかになりました。

実際は地球から見えないだけで初期宇宙にはヴォルフェ円盤のような穏やかな銀河がありふれている可能性もあります!

credit: Fabio Governato / Univ. of Washington

もしこのような銀河が初期宇宙においても一般的な銀河であるとしたら、これまで支持されてきた、銀河や熱いガスの塊同士の激しい衝突を経て現在のような銀河ができたとする「熱い銀河形成モデル」ではなく、初期宇宙でも存在するヴォルフェ円盤のような穏やかな巨大円盤銀河を上手く説明できる冷たい銀河形成モデル」が新たに主流となってくるかもしれません。

冷たい銀河形成モデルとは、最初から宇宙空間全体には従来の予想よりも冷たいガスが満たされていて、それらが従来の予想よりも穏やかに集まっていき、徐々に大きく冷たい回転円盤銀河を形成したという理論です。

このような冷たい銀河形成モデルはこれまでも提唱されていましたが、超遠方の宇宙ではクエーサーのような明るい天体ばかりしか観測できないため、この理論を支持する証拠が不足していました。

今後さらにこのような「普通の銀河」がたくさん見つかり、これまで常識と考えられていた宇宙の進化の歴史が大きく書き換わる日が来るかもしれませんね!

楽しみです。

結論:熱いのと冷たいの、どっちがお好き??

情報参照元:https://alma-telescope.jp/news/wolfedisk-202005

サムネイル画像クレジット:NRAO/AUI/NSF, S. Dagnello

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