どうも！宇宙ヤバイch中の人のキャベチです。
今回は「600日間も輝き続けた前代未聞の超新星爆発」というテーマで動画をお送りしていきます。
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1年以上輝き続けた前代未聞の超新星
太陽の8倍以上の質量を持つ大質量星は、その一生の最期に超新星爆発という大爆発を起こします。
その爆発は、継続期間が長い分類の物であれば100日程度ピークの明るさが継続し、その後急激に減光して超新星残骸となります。
Credit: Las Cumbres Observatory/S. Wilkinson
ですが2014年9月におおぐま座の方向へ約5億光年も離れた位置で起きた「iPTF14hls」と命名された超新星は、最終的になんと600日間にもわたり、一般的な超新星の何倍もの明るさで輝き続けました！
今表示しているiPTF14hlsの明るさを示すグラフからも、通常であれば輝きが収束していく100日あたりを過ぎても、減光どころか輝きを増し続けていることが見て取れます。
太陽の数十億倍の明るさ…まさに桁違いの爆発です。
その後も減光したかと思いきやまた増光し、真のピークを迎えた後にこの天体は地球から見て太陽の背後に隠れて一時的に見えなくなりますが、その後も明るさの増減を繰り返しながら徐々に収束していきました。
過去にも爆発を起こしていたことが判明
そんなわけで600日間にもわたって輝き続けることで世界中の科学者たちの度肝を抜いたiPTF14hlsでしたが、この爆発源を調べることでさらなる衝撃の事実が明らかになりました。
Credit: Las Cumbres Observatory
なんとiPTF14hlsを起こした天体は1954年にも大規模な爆発を起こしていたんですね！
つまり一度爆発して死んだはずの星が60年後の2014年にふたたび爆発を起こしたということです。
このことから、爆発源天体はゾンビ星と呼ばれたりもします。
爆発のメカニズムは？
Credit: NASA Ames, STScI/G. Bacon
ではこの爆発はどの様な天体がどういったメカニズムで起こしたものなのでしょうか？
研究者たちは、この爆発を起こした恒星の質量は少なくとも太陽の50倍以上はあると見積もっているようです。
一般的な超新星と比べて継続期間だけでなく明るさ自体も上位なだけあり、超大質量な星の爆発だったんですね！
そしてそれだけ大質量な恒星が起こす超新星爆発は、一般的な恒星が起こす爆発とはメカニズムが異なる場合があると考えられています。
そんな超大質量星のみが起こす爆発を、「対不安定型超新星」と呼びます。
対不安定型超新星は通常の超新星より爆発の威力が高く、非常に明るく輝くことから、iPTF14hlsが他の超新星よりも明るく輝いていたことを上手く説明できます。
そして対不安定型超新星の中には、星が一度に吹き飛ぶのではなく、何度も繰り返し爆発して星の質量が徐々に失われていく「脈動性対不安定型超新星」というタイプの爆発もあるようです。
これはまさに1954年にiPTF14hlsの発生源の天体が起こした爆発現象を上手く説明することができます！
さらに通常の超新星爆発では、星が爆発する前に水素を使い果たしてしまうため爆発の光には水素があまり含まれていませんが、iPTF14hlsには水素が高い割合で含まれていたことが観測によって明らかになっています。
この謎についても、脈動性対不安定型超新星なら説明ができるようです。
脈動性対不安定型超新星は、太陽の100倍近い質量を持つ超大質量星が単体で爆発する場合と、太陽の60倍程度の質量を持つ2つの恒星が合体し、その後爆発するメカニズムも考えられるそうです。
後者の合体シナリオの場合は星は水素を使い果たす前に爆発を起こすので、その光からは水素が多く検出されると考えられています。
これらをまとめると、2014年に観測した奇妙な爆発現象iPTF14hlsのもつ、・一般的な超新星より長く明るい・過去にも爆発を起こしている・水素が含まれているという3つの謎を同時に説明できるのは、「2つの大質量星が合体して生まれた星が水素を使い切る前に起こした脈動性対不安定型超新星というタイプの爆発である」という仮説である、ということです！
とはいえこれはあくまで仮説段階に過ぎず、この爆発が脈動性対不安定型超新星であるという決定的な証拠は未だ見つかっておらず、謎として残っています。
今後これが解明されることに期待しましょう！
結論：電●「600日後に収束する超新星のグッズ売ったろｗ」
情報参照元：https://www.sciencealert.com/weird-supernova-explodes-multiple-times-60-years-iptf14hls
サムネイル画像クレジット：NASA Ames, STScI/G. Bacon
