どうも!宇宙ヤバイchの中の人キャベチです。
皆さんは、「ブラックホール情報パラドックス」と呼ばれる難問を聞いたことはありますか?
これは、物質がブラックホールに吸い込まれた際にその物質がもつ物理的情報が消えてしまうことで科学的方法の原則から逸脱することから生じる矛盾のことです。
今回はこの矛盾解消を手助けしてくれるような海外の動画を解説していきます!
ブラックホールは、宇宙最強で星全体を原子レベルにまでバラバラにできる程のパワーを持っています。
これだけでも充分恐ろしいですが、実は宇宙そのものを消し去ってしまうようなもっと強大な性質があると考えられています。
目次
ブラックホールの性質
ブラックホールは、小さな空間に非常に多い物質が集中している時に現れます。
その中心では重力がほぼ無限に強く、近づき過ぎた物は素粒子に分解されます。
光ですらブラックホールを脱出することはできないため、我々はそれを黒っぽい球として認識するのです。
あなたがもしブラックホールに飲み込まれたとしても、その境界(事象の地平面)を超えるまでは何も悪いことは起きません。
巨大な滝がある川で泳ぐことを想像してみてください。
まだ滝が見えていなくても、泳いでいるうちにいつの間にか流れはどんどん速くなります。たとえ気付かなかったとしても、取り返しのつかない地点までは、安全に泳ぐことができます。
しかし、その地点を一度越えてしまったらどんなに速く泳ごうとも、滝に流されてしまいます。
同様にブラックホールも一度近付くと逃れることは不可能です。
この境界によってブラックホールは外界と完全に切り離されていて、二度と戻らぬ覚悟なしには到達できません。
だから、ブラックホールの内部で本当に何が起こっているのかははっきりしません。
しかし、その境界ギリギリのところで起こっていることについては多少分かっています。
ブラックホールは、沸騰したお湯が水分を蒸気として失うようにその質量を放射して失います。
これは、ホーキング放射と呼ばれています。
ブラックホールは、その質量のうち非常に小さな量を非常に長い時間をかけて失っていきます。
私たちの太陽と同じ質量のブラックホールがその質量のたった0.0000001%を失うのに百阿僧祇年もかかります、アソギ…!?
この現象は絶えず起こっていて、そのペースは次第に速くなっていきます。
宇 宙の最後の星が死んでから数兆年もたった遠い遠い未来では、ブラックホールは蒸発して小さくなり最後には僅かばかりの放射線になって消えてしまうのです。
しかし、ブラックホールが消滅する過程で根本的なもの、情報が消えてしまう可能性があります、これは大問題です。
情報とは
情報は有形ではなく、しばしば粒子の並び方の状態だとされます。それはどういうことでしょうか?
炭素原子の集まりを想像してみてください、ある特定の方法で配置すると石炭になります。
別の方法だと、ダイヤモンドになります。
原子も同様で、違いを生むのは情報です。
これをより複雑にし、さらにいくつかの原子を追加すればバナナの出来上がりです。
原子をまた並べ替えると、こんどはリスになりました。
宇宙のすべての物の基本的な素は同じであり、鳥や岩やコーヒーカップのどれであろうと変わりません。
情報がなければ宇宙のすべての物が同じになってしまいます。
量子力学の理論によれば情報は不滅で、形は変われど失われることはありません。
例えば、紙を燃やすと灰になります。
その灰が再び紙に戻ることはありません。
しかし、もし灰の中から注意深く一つ残らず炭素原子を集めて炎から放射される煙と熱の正確な性質を測定できたとしたら理論的には、紙を再構築することができます。
つまり、紙の情報は失われたわけではなくあいかわらず宇宙に存在しているということです。
もし、何らかの方法で宇宙の全ての原子や素粒子や波の放射を測定できたとすれば、現存する全ての情報を取得して追跡することが可能になります。
仮説上ではビッグバン以来の宇宙の歴史全てを見ることができるのです!
ここでブラックホールが、問題になってきます。
情報からは、物事が互いにどう異なっているか、そして何が何だったかがわかります。
ブラックホールはその逆で、全ての物の情報を破壊し均質化します。
これが、情報パラドックスを生み出してしまうのです。
情報パラドックス
情報は失われることはないというのが物理学のすべての法則にとって基本です。
情報がなければ全てが絶対ではなくなってしまいます。
現実を理解する上では、基準となる絶対が必要なのです。
ではどう解決すればよいでしょうか?
情報は失われる
1つ目の可能性は「情報は永久に失われる」というものです。
もしもこれが本当だとしたら、これまでの物理法則が台無しになって全部を最初からやり直しになってしまいます。
情報は隠れている
2つ目の可能性は「情報は隠れている」というものです。
もしかすると、ブラックホールは分裂して、赤ちゃん宇宙を形成するかもしれません。
情報は、私たちが観察したり操作することができない、この新しい場所に転送されていて厳密には失われていない、なんてことも。
わかりやすく例えると、アクセスすることができない壊れたハードディスクに写真や音楽などの情報が入っているようなものです。
確かに完全に消されてはいないという点では素敵ですが、あまり有用ではありません。
情報は消えても隠れてもいない
最後の可能性は、「情報は消えても隠れてもいない」というものです。
もしかしたら、我々の見方が全体的に間違っていただけかもしれません。
ブラックホールが情報を捕捉して、それを消してしまうかもしれないことは知っていますが、それまでの間どうするかについては考えてきませんでした。
では一体ブラックホールは、情報をどこに保存しているのでしょうか?
宇宙のハウスキーピング
汚れた洗濯物でブラックホールを作成します。
まず、洗濯物かごで部屋を埋めていきます。洗濯物が多いほど、かごもたくさん必要ですね。
しかし、いずれかは、かごが洗濯物で一つ残らず一杯になって、部屋も完全にかごで埋まってしまいます。
それでも無理やりたくさんのエネルギーを使って靴下を入れたとすれば、部屋は崩れてブラックホールになってしまいます。
しかし、部屋自体の容量は変わっていないので、これ以上物を詰め込むことは依然、不可能です。
それでも更に洗濯物を入れたらどうなるでしょうか?
新たな情報のための場所を作るために部屋自体が、少し大きくなります。
実はブラックホールは情報を投げ込まれると、少しだけ表面が大きくなります。
つまり、情報が多いほど、表面積が大きいのです。
情報は、「池に石を投げ込んだときのよう」だと表現されます。
石が底に沈んだらもう見えません。
しかし、池の表面が波立っていることから何かが池に入ったことはわかります。
ブラックホールの中で一番小さいものでも、その表面上に人類の歴史上の全てのデータより多くの情報を、保存することが可能です。
信じられないほど小さな領域に情報を保存することが出来るのです。
つまり、ブラックホールは究極のハードディスクです。
これは、紙の本を電子書籍にするのに似ています。
これら2つは全く違うように見えますが、中身の情報は同じです。違う方法で符号化され記録されているだけです。
ブラックホールが星や惑星を飲み込む様子は、紙の本を電子化するためにスキャナにかけているよう、と言えるかもしれません。
この説は、ホログラフィック原理と呼ばれます。
しかし、もしもこれが正しいとするならば、我々が正しいと思っていた宇宙観すべてが間違っていたことになります。
宇宙はホログラム
もし情報が本当にブラックホールの境界の地平面上に保存されているのだとしたら、ホーキング放射には情報について知る機会があると言えます。
つまり、ブラックホールが消えていっても情報は失われることはないので物理学をやり直す必要はありません。
情報パラドックスは無事解決しました!
しかし我々は「現実」の理解を根本的に変える必要があります。
もしブラックホールに飲み込まれた全ての情報が事象の地平面上に保存されている場合、三次元のものが平らな表面上に符号化されていることを意味します。
そんな仕組みに既に名前がついてます、 ホログラムです。
ホログラムは、3D写真のようなもので、三次元画像を符号化して平らなプラスチックに符号化するのです。
ブラックホールは、その内部のすべてが事象の地平面上に符号化されるので、ホログラムのようなものだと言えます。
ブラックホール内部の人は我々と同様に三次元の世界を体験しますが、外の私たちにとっては彼らはブラックホールの表面の平らな画像です。
この結論は直感に反しているようですが、もう少しだけ聞いてください。
ブラックホールは非常に極端な物体ですが、他の物と同じ規則に縛られています。
二次元と三次元にまたがる二重性がブラックホールに許されるなら、宇宙全体が成り立つのかもしれないのです。
ブラックホールの中の人は、自分が平らな表面上に符号化されていることに気付かないでしょうから私たちとて、同じ運命なのかもしれません。
あなたも実は宇宙の果の平面に符号化されているのかも…
掘り下げていくともっともっと難しい話になってくるのですが、とにかく、宇宙の本質については実のところ、我々は奇妙で複雑だということを知っているだけで、それを理解するためには、もっと物理学が必要なのです。
しかし、ブラックホールは現実の本質を理解するための重要な鍵なのかもしれませんね。
いかがでしたか、まだまだ宇宙には謎が隠されています。
生きている間に少しでも多くの謎が解明されることに期待!!
結論:宇宙ヤバイ