どうも!宇宙ヤバイch中の人のキャベチです。
今回は「ベテルギウスの様子がおかしいかも」というテーマで動画をお送りしていきます。
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ベテルギウスが過去50年で一番暗くなってます
オリオン座のα星ベテルギウスは、一等星として地球からとても明るく輝いて見えます。
その平均視等級は0.42と、太陽を除けば地球から9番目に明るく見える恒星です。
そんなベテルギウスは、変光星として知られています。
定期的に増光と減光を繰り返していて、その明るさの範囲を視等級で表すと0.0-1.3くらいだそうです。
視等級0.0の星は1.3の星より3.3倍ほど明るく見えるので、かなりの変光です!
なのでベテルギウスが暗くなること自体何もおかしなことではないのですが、ここ最近急激にベテルギウスが暗くなりすぎていることがかなり大きな話題を呼んでいます!
こちらはTwitterでアマチュア天文家が掲載していた過去50年間のベテルギウスの変光を示したグラフです。
横軸が時間で、縦軸が視等級を示し、上に行くほど視等級が低いことを、つまり明るく見えることを示します。
この図を見てもここ最近の減光は異常だということがよくわかりますね!
しかもそれが徐々にではなく急激に落ち込んでいることも伝わってきます。
こちらがつい先日撮影されたオリオン座付近の夜空ですが、オリオン座の右肩に位置するベテルギウスが、同じく冬の大三角の一角を担う視等級0.37のプロキオンと比べてもかなり暗く見えることがわかります。
ベテルギウスの平均視等級が0.42なんて言われているので、0.37のプロキオンは大差ない明るさで見えるはずですが、これを見るとベテルギウスが平均値よりかなり暗くなっていることが見て取れますね!
むしろオリオン座のベルトに位置する3つの二等星とほぼ変わらない明るさに感じます。
二等星の視等級は1.5-2.5なので、ベテルギウスの現在の視等級は0.0-1.3という一般的な幅を下回って暗くなっているかもしれません!
ベテルギウスの爆発が近い…?
ベテルギウスは太陽の10-20倍程度の質量を持つかなり大質量な恒星で、そのエネルギーも太陽の10万倍を超え、640光年彼方からこの明るさで見えるほどです。
そんなベテルギウスは大質量星の一生の末期段階である「赤色超巨星」という段階にあると考えられていて、低温で赤くなりながら超巨大化しています。
その半径は太陽の1000倍にもなり、このように太陽を直接持ってくるとベテルギウスに隠れて見えなくなってしまう程に巨大です!
このベテルギウスのような太陽の8倍以上重い恒星は、その一生を終える際に宇宙でも最高レベルのエネルギーを誇る大爆発現象、超新星爆発を起こして派手に散っていくと考えられています。
超新星爆発の恐るべきエネルギーについては別の動画で解説しているので、興味がある方は以下の記事から合わせてご覧になってみてください!
しかもベテルギウスのような赤色超巨星は大質量星の末期段階にいるので、もしかしたら私たちが生きている間に超新星爆発が見れるのかもしれないとかなり話題度の高い恒星となっているわけですね!
大質量星の内部では水素から始まりヘリウム、炭素、ネオン、ケイ素と徐々に重い元素が核融合反応によって形成されていき、最後鉄が生成されると超新星爆発が起こります。
※厳密にはネオンからケイ素が形成される前に酸素が形成されます
さらに重い元素が作られるほど次の元素が生成されるまでの期間が短くなることが知られています。
例えば炭素からネオンが形成される反応が1000年間、ネオンからケイ素は1年間、最後ケイ素から鉄はたったの2日、といった具合です。
そしてネオンからケイ素ができる反応が起こると星自体が急速に収縮して、外からは暗く見えるようになるそうです。
つまり今観測されている急激な減光はネオンからケイ素が生成される段階に入ったからという可能性もあり、その段階はわずか1年間しか続かず、それが終わった後は本当に超新星爆発が近いのかもしれません!
ただしまだ減光が始まって期間が浅いため元に戻る可能性も十分にあり得るので、これを根拠に超新星爆発が「必ず」起こると考えるのは辞めた方がよさそうです。
いかがでしたか?
ベテルギウスが爆発してオリオン座の一角が永遠に失われてしまうのは確かに寂しい気もしますが、それでも一生に一度見られたら超ラッキーな激レア現象超新星爆発をどうしても見たくなってしまいますね。
減光が見えているからといって起こる可能性は以前低いままとはいえロマンがありすぎてワクワクが止まらない…!
結論:誰かベテルギウスをツンツンして爆発させてきて!