これは私たちの住む地球です。
全ての人類と生命、そして歴史がこの惑星に詰まっています。
しかしこの地球は、宇宙全体に比べるとあまりに、あまりに小さな存在に過ぎないのです。
よく「地球は小さい」などと簡単に言われますが、実際はどれだけちっぽけなのでしょうか?
宇宙のスケールの圧倒的な大きさをわかりやすく解説した動画があったので、和訳していきます!
徐々に遠い宇宙まで掘り下げていきますよ。
特に後半の「観測可能な宇宙」と「全宇宙」の話は必見、圧倒的なスケールにただただ驚かされます。
How the Universe is Way Bigger Than You Think
目次
月
地球から見て月は夜空の大きな割合を占めているため、かなり近くにあると思っている方も少なくないでしょう。
しかし実は月はこんなにも遠くにあるのです。
地球と月の間には30個の地球が丸々入ります。
さらに時速100kmの車で不眠不休で月まで向かっても、160日もかかってしまうのです。
これほど遠くにあるにもかかわらず、これまで12人が月に足を踏み入れました。
現在これは人類が自分の足で到達した最も遠い距離です。
月から見た地球はこのように見えます。
仮に月から地球にメールを送ったとすると、光速の通信でも片道1.25秒の時差が生じます。
火星
こちらは火星から撮った夜空の画像です。
赤い丸の中にあるごく小さい点が私たちの住む地球です。
すでに私たちはごくごく小さな存在でしかありません。
というのも火星は平均で2億2500万km、最も遠くて4億100万kmも地球から離れているためです。
火星移住計画が成功して人類が火星に到達できたとすれば、これまでの最遠記録である月までの距離の986倍も遠くまで到達したことになります。
もし火星から地球に連絡しようとすると、光速でも片道で20分もかかってしまいます。
往復で40分のロスがあるわけですから、これでは火星で緊急事態があった場合でも地球からの応答を待っている時間はありませんね。
ボイジャー1号
さらに遠くの宇宙を見てみると、ボイジャー1号の姿が見て取れます。
これは歴史上最も遠くまで届いた人工物で、現在は地球から138AUの位置にあります。
AUとは「天文単位」という距離の単位のことで、1AUは地球と太陽の平均距離で約1億5000万kmです。
つまりこのボイジャー1号は今地球から太陽の距離よりも138倍も遠い場所にあるということになります。
これほど遠い位置からボイジャー1号はカメラをこちら側に向けて、地球の写真を撮ってくれました。
このごくごく小さな点こそが、私たちの住む地球です。
この小さな点の中に、全人類、全生命、全生命体の全歴史が丸々詰まっているのです。
ボイジャー1号は毎秒17kmという猛スピードで地球から遠ざかっています。
毎秒17kmというスピードがどれほど速いか、地球上でこの速度を手に入れた場合を想像してみればすぐにわかります。
しかしこれほどのスピードを持ってしても、太陽系の構造のうち最深部にある「オールトの雲」を抜けるには30000年もかかってしまいます。
30000年もかけて太陽系すら抜け出せないのです!
プロキシマ・ケンタウリ
太陽系を抜けると、ようやく近所の星々が見えてきます。
ここら辺で距離の単位を「光年」へとシフトさせる必要があります。
1光年はその名の通り光が一年間で進む距離で、約9兆4600億kmです。
画像で矢印がついてある「プロキシマ・ケンタウリ」は太陽から最も近い恒星ですが、それですら4.24光年も離れているのです。
仮にボイジャー1号がまっすぐにこのプロキシマケンタウリに向かっていたとしても、到達するまでに70000年以上かかります。
仮に時速100kmの車で不眠不休で向かうという無謀な真似をしたとすれば、プロキシマケンタウリに着くまでなんと現在の宇宙の年齢の6倍以上かかってしまう計算になります。
宇宙の年齢は138億年と言われていますから、その頃には私たちが存在していた痕跡のかけらすらないでしょう。
銀河系
そしてそこから遥か彼方までズームアウトしていくと、銀河系(天の川銀河)の全貌が見えてきます。
この銀河系は端から端まで10万光年離れています。
光年は10兆km弱なので…その大きさがいかに果てしないかはわかりますね。
そのごく一部のこの小さな黄色い点が何を意味するかわかりますか?
これは、人類が発した光速の電波が到達した範囲を示しています。
人類が発した最古の電波でも、銀河系から見ればたったこれっぽっちのスケールまでしか到達していないのです!
そしてこの黄色い点より外側にいる知的生命体はまだ人類の存在に気づくことができていません。
しばらくたった未来にようやく外部の知的生命体の場所にまで地球からの電波が届き、いずれコンタクトが取れる日が来るかもしれませんね。
そしてこの銀河系には、1000億以上の恒星と1000億以上の惑星が含まれているのです。
しかしどれほど澄んだ夜空を見上げても、この銀河系の星々のほとんどは肉眼で見ることができません。
というのも、私たちが肉眼で見ることができる星々の99%は、なんと画像にある小さな黄色い四角の中に収まっているのです。
同じ銀河内にいる身近な星々ですら、あまりに遠すぎて地球からは見ることすら叶わないんですね。
銀河群・銀河団の世界
銀河の外に出れば、当然さらなる巨大な構造が待ち構えています。
まず見えて来るのが「局部銀河群」です。
これは54個の銀河からなり、直径が1000万光年にもなります。
そんな局部銀河群も、さらにズームアウトすると現れる「おとめ座超銀河団」の前ではほんの一部でしかありません。
超銀河団は銀河群や銀河団の集合体で、私たちのいる銀河系はおとめ座超銀河団に属しています。
上の画像はおとめ座超銀河団で、小さい点全てが星ではなく「銀河」です。
このおとめ座超銀河団には銀河系を含む局部銀河群以外にも少なくとも100以上の銀河群があり、この超銀河団の直径は1億1000万光年にもなります。
しかしこのおとめ座超銀河団でさえ、さらに拡大すると現れる「ラニアケア超銀河団」の中の一部でしかありません。
このラニアケア超銀河団の中には銀河系のような銀河が10万個含まれているとされており、この超銀河団の直径は5億2000万光年にもなります。
光年が当たり前に出てきすぎて感覚が麻痺して来る頃合いですが、光年=10兆kmということをお忘れなく…
観測可能な宇宙
そしてラニアケア超銀河団も、「観測可能な宇宙(observable universe)」全体の中ではほんのちっぽけな存在でしかありません。
この観測可能な宇宙の中には、その名の通り私たちが現在観測できる全ての現象が含まれています。
観測可能な宇宙の中には少なくとも2兆個もの銀河が含まれており、それらの銀河全ての中に含まれる星の数は、なんと地球にある砂つぶの数を遥かに上回ると言います。
この観測可能な宇宙の幅は930億光年とされています。
途方もなさすぎてすでに何が何だかわからないレベルですが、この観測可能な宇宙の外側にはもっと遥かに興味深い世界が広がっています。
私たちは観測可能な宇宙の外側を見ることはできません。
なぜならあまりに遠くにあるため、そこからの光がまだ地球にまで届いていないためです。
さらに遠い場所から発せられた光は、ついには未来永劫地球に到達しなくなります。
なぜなら地球からあまりにかけ離れた距離にある宇宙は、光よりも速い速度で膨張しているからです。
宇宙は膨張しています。
地球から遠ければ遠いほど膨張速度が上がり、「膨張速度がちょうど光速と同じになる地点」よりも遠い場所から発せられた光は、膨張速度に押し負けてしまうために、一向に地球に近づくことはありません。
つまり人類が仮に永遠の存在であっても、宇宙には絶対に観測できない未知の領域が存在し続けるということです。
そして観測可能な宇宙は、「全宇宙(entire universe)」と比較すると遥かに、遥かに小さな範囲でしかないと予想されています。
全宇宙
現在、「全宇宙」は「観測可能な宇宙」の1500垓倍大きいと言われています。
全宇宙の直径は1500垓×930億×10兆km?
わけわからなすぎていよいよ頭が痛くなってまいりました…
1500垓というのは、小さな電球と冥王星全体の体積の比と同じです。
私たちは未来永劫中心にある小さな電球の中だけを観測し続け、そこから冥王星の表面までの広い空間は絶対に覗くことすらできません。
ですがご安心ください。
実際はこの電球ですら930億光年の大きさですから、人類がどれだけ頑張っても飽き足りることは決してないでしょう。
宇宙の外側へ…
この宇宙の外側のことは誰にもわかりません。
しかし、この世にはこの宇宙しかないとは決して言い切れません。
むしろ他にも宇宙があって、それが無限個あるかもしれません。
それぞれの宇宙では別々の物理法則が働いているとされています。
私たちがどれほど深く悩んでも、宇宙規模で言えばどれもがちっぽけな悩みでしかない、ということですね。