どうも!宇宙ヤバイch中の人のキャベチです。
今回は宇宙シミュレーターuniverse sandbox 2を使い、「もしも太陽が突然消えたらどうなるのか」を検証していきます!
目次
太陽がずっと消えたままの場合
ではまずは太陽を消したままずっと放置したらどうなるかを見てみましょう。
後ほど1秒・1日だけ消え、その後元に戻る場合も見てみます。
太陽が突然消えてもすぐには気付けない
太陽が突然消えても、そもそも私たちはすぐにはそれに気づきません。
なぜなら太陽からの光が地球に届くまで8分20秒もかかるからです!
太陽が消滅してから8分以上経った後に異変に気付き、間違いなく大混乱が起こります。
熱源を失ったため、当然地球を含む太陽系全天体は極寒の世界へと変貌します。
みるみるうちに気温が下がり、氷の面積が広がっています!
地球が公転をやめ直線運動を始める
さらに重力波も光速で移動しているため、私たちが太陽が消えたのを確認したと同時に、地球は太陽の重力の影響を受けなくなり、一直線に進むようになります。
もちろんそれは他の天体も同様です。
他の惑星はしばらく明るいまま
(画像元:sweeper.a.la9.jp)
そして太陽が消えて私たちがパニックに陥っている間でも、火星や木星などの地球より外側にある惑星たちは何事もなかったかのように輝き続けます。
光や重力波の速度は有限なので、例えば木星は地球で太陽がなくなったことを確認できてから約30分間も、光を受け続けますし、公転運動も続けます。
太陽の光とそれを反射する月の光が消えた後、空に輝くのは遥か遠くの小さい星々の輝きのみになります。
全天の星の明るさ全てを足しても満月の300分の1でしかないため、人類は人工的な街灯りに頼りっきりになることでしょう。
最終的には全ての惑星から光が奪われ、同時に重力的拘束もなくなり、永遠の直線運動を始めることになります!
太陽が1秒間だけなくなる場合
では今度は太陽が1秒間だけ消えた場合はどうなるのかを検証していきます。
このように1秒間とはいえ太陽が完全に消えるので、公転軌道もバラバラで1秒間が経過します。
では1秒後に太陽を元あった場所に戻してみましょう。するとどうなるでしょうか…?
なんと何事もなかったかのように元の公転軌道に戻りました!
実は1秒程度なら太陽が消えてもそれぞれの天体の位置と速度に大きな変化はないので、向心力が復活すると共に元の軌道に戻れます。
とはいえ1秒の間で微妙に位置がずれてますから、このシミューレーターで再現できないほど長い年月が経つともっと大きな変化になっているかもしれません。
地球を見ても環境に大きな変化はなさそうですね!
1秒間太陽からのエネルギー供給がストップしても、その後戻れば大した影響にはなりません。
太陽が1日間いなくなる場合
では今度は思い切って1日間太陽を消してみます!
太陽には年中無休で働いてもらっているので、たまには有給を取ってもらいましょう。
Oh… 1日のつもりが2日半以上も休みやがった…
有給の喜びを知りやがって、お前ら許さんぞ!!
では太陽を復活させて天体の軌道を見てみます。
水星や金星は目に見えて楕円度合いが高まってますが、それ以外の天体は概ね健康的ですね!
遠い天体ほど無事なのは公転速度が遅く、例え2.5日間放置されても元の位置から大きく動かないためです。
地球は若干1年間の温度変化が大きくなった程度で、そこまでの変化は見られません!
それ以遠の天体は先述した理由から、なおさら影響が少ないです。
有給の喜びを知った太陽「ということは数日ずつなら有給取っていいんだな。わぁい!」
数年後の地球「…(ブルブル)」太陽「あっ(察し)」
結論:太陽は社畜の宿命
ずっと消える場合の地球の環境について
太陽が復活しない場合、地球の環境については以下の動画がすごくわかりやすく紹介してくれていたので、英語を和訳して解説していきます!
光合成ができなくなる
光合成は太陽が消えた瞬間から即座に止まってしまいますが、この影響は極めて大きいです。
自然に生成される物質のなんと99.9%は、太陽を必要とする光合成によって生み出されているそうです。
太陽がなければ植物は二酸化炭素を吸収できませんし、生物が生きていくために必須の酸素も生成できなくなります。
でもご安心ください。
70億人の人類が一年間に消費する酸素は6兆kgであるのに対し、地球の大気にはそれの20万倍弱の酸素が含まれています。
なので仮に光合成で酸素が生成できなくなったとしても、人間を含む地球上の酸素を消費する生物は数千年は生き延びることが可能です。
植物はほとんどが数週間で枯れてしまいますが、糖分を豊富に含む大木などは数年間は生き延びるでしょう。
気温が一気に下がる
現在暑い場所も寒い場所も含めた地球の平均気温は15℃程度と、非常に過ごしやすい温度となっています。
しかし太陽がなくなると一気に熱を放出してしまいます。
太陽が消えてから1週間後、地球の平均気温は0℃となり、早くも凍えるような寒さになってしまいます。
ただし大混乱や無秩序状態に陥ることを除けば、なんとか人類は最初の数ヶ月を乗り越えることができます。
太陽がなくなったからといって即座に人類滅亡するわけではないんですね。
しかし太陽消失からちょうど一年が過ぎた頃、地球の気温はなんと-73℃にまで冷えてしまいます。
もはやここまで冷えるとさすがに人類が生き残ることは難しいでしょうか…
人類はしばらく全滅しない
地球上の生命のエネルギーの大部分を賄う太陽が消えてから一年で多くの生命が大量絶滅するなか、変わらず熱を発し続ける環境が存在します。
火山活動が活発なイエローストーン国立公園などがそうです。
地球の内部は太陽に関係なく数十億年は暑いままなので、マグマなどの内部の熱源が生命の唯一の拠り所となるでしょう。
ちなみに地球の中心は5000℃と、太陽の表面に匹敵する高温で保たれています。
大気が液体と化す
次の10〜20年では、あらゆるものに水滴がつき始めます。
これは現在の地球上にあるH20(水)による水滴ではなく、大気を構成する窒素や酸素の水滴です。
あまりに低温になり、大気中の気体まで液体になってしまうのですね。
さらにその液体はいずれ個体になり、酸素の雪が積もります。
こうなってしまっては呼吸ができないので(そもそもこんな低温では肺がやられてしまいそうですが…)、酸素の雪を暖かい家の中に持ち込んでそれを溶かすことで家の中に期待の酸素を充満させ、呼吸するという作業が必要になるでしょう。
液体の海と極限環境微生物は存在し続ける
少し遡って太陽消失から1〜3年が経った頃、地球上の海が全て氷で覆われてしまいます。
氷というのは密度が液体の水よりも低いため、氷は海の表面に浮きます。
そして海底では地球内部からの豊富な熱が放出され続けるため、表面が全て凍ってしまった海の内部では液体の海が存在し続けるのです。
この液体の海は数十億年も存在し続けるため、太陽が有る無しに関わらず、さらに他の生物が絶滅しているかどうかにも関わらず、極限環境微生物は存在し続けることになります。
彼らは人類を含む他の多くの生物が絶対に生息できない極限の環境でも、光合成ではなく熱やメタン、あるいは硫黄をエネルギーに変えて生存を続けることができます。
彼らにとっては私たちの住む環境こそが極限に生きにくい環境なのかもしれませんね。
他の恒星の公転軌道に乗るかもしれない
序盤でも述べていましたが、太陽がなくなってから約8分後に地球は太陽の重力圏を逃れて直線運動を始めるのでしたね。
環境がどれほど劣悪になっても、地球は液体の海とわずかな微生物を内部に備えながら、数十億年間も宇宙を旅します。
その移動速度は秒速30km、時速でいうと10万8000kmです。
私たちはとてつもない速さで今も公転を続けているのですね。
10億年も経過すると、地球は10万光年も移動することになります。
銀河系の直径が10万光年とされているため、単純に銀河系を横断するほどの長い距離を地球は孤独に旅することになるのです。
当然、途中で他の恒星の重力圏に取り込まれて新たに公転運動を始め、唯一残っていた極限環境微生物からまた新たな生命が芽生える可能性もあるということです。
もしその新しい生命が地球上で人類が残したあらゆるものを掘り起こすことができるほどの知能を備えているならば、数十億年後にこの動画や記事も見られることになるでしょう。
なんだかロマンがありますね。