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核融合反応ってそもそもどんな反応?どんな仕組みで起こるの?

どうも!宇宙ヤバイch中の人キャベチです。
今回は「核融合反応」をテーマにお送りします。

 

宇宙には何億何兆という銀河があり、そのそれぞれが
何千億という太陽のように自ら輝く恒星から成り立ちます。
それだけ宇宙には恒星というのがまさに星の数ほどあります
が、この恒星は核融合という反応によって輝いています。

そのため宇宙を語るうえで核融合反応というのは
避けては通れない大事な現象となってきますので、
今回は核融合反応について掘り下げていきましょう!

以前も核融合反応の解説動画は作ったことがありますが、
当時はナレーションも今より拙く聞きにくいという意見も
少なくなかったため、改めて今のスタイルで取り直します!

原子とは?

まずは核融合反応をより分かりやすく説明する為に、
「原子」について説明していきます。

今私たちが見えてる世界をどんどん小さく拡大していくと、
最終的には原子という物が見えてきます。
つまり今見えてる全ての世界を構成してる物質です。

更に原子は、陽子と中性子というものでできており、
その周りに電子というものがあります。陽子と中性子は
ペアになっておりこれを「原子核」と言います。

原子は陽子の数によってその性質が大きく異なってくるので、
陽子の数ごとに別の名前がついています。
そして周期表の原子番号は陽子の数により決まります。

原子は現在のところ原子番号1の水素から原子番号118の
オガネソンまでの118種類が見つかっています。

安定

核融合反応は水素等の軽い原子核でしか起こりません、
それは原子核は安定した状態を保とうとする性質が
あるからです。では、その「安定」とは何でしょうか?

箱に物を詰めてバランスをとるところを想像してください。
中身が入らないくらい物が多いとボロボロと崩れ落ち、逆に
少なすぎると箱の中で動き回って安定しにくいですよね。

その中間に、箱に丁度綺麗に収まる状態があります。
その状態のそれが安定した状態です。原子の場合、その
「安定」した状態は原子番号26の「鉄」になります。

核力、クーロン力

そして核融合反応を起こすには原子内部の力が関わって
きます。次はそちらを説明していきます!

核融合反応を起こすのに一番有名な元素は「水素」です。
地球でも水等、水素を含んだ化合物で溢れていますね!

ここで一つ疑問です。海や湖といった水が多くある場所では
何故核融合が起こらないのでしょうか??

私たちの生活しているような世界の条件だと、
原子の組み合わせが変化する化学反応しか起こりません。

例えば塩酸と水酸化ナトリウムが反応して塩と水ができる
反応も、原子の組み合わせが変化しただけで原子の種類や
個数は変化していません!

これらの反応をパズルに例えると、化学反応は予め用意
されたピースをはめるだけですが、核融合反応はピースの
形から全く別のものに作り直すようなものです。

詳しくは後述しますが、核融合反応が起きるには日常の
世界ではない何か特別な条件が必要という事ですね!

原子の構造の話に戻ります、原子内部では様々な力が働いて

います。その中でも核融合反応を考える上で重要な力は、
原子核同士を引き合わす「核力」、逆に引き離す
「クーロン力」(斥力)です。

次に同じ極同士を向い合せた棒磁石の先に接着剤が付いた
図を想像してください。普通に近づけると磁石の極で反発
します、そして近づければ近づけるほど反発する力も
強くなります、これをクーロン力と例えます。

これを無理矢理、手の力で押してやると棒磁石の先の
接着剤にくっつけることができます、これを核力と例えます。

これを磁石から原子に戻します、原子核はプラス(陽極)の
電荷を帯びていますので原子核同士は勿論反発します。
しかしある一定の距離に近づくと核力が働いて原子核同士が
融合するようになります。

しかし、原子核は先ほどの棒磁石のように手で押して
くっつけることは物理的に不可能です。では原子核同士が
融合するにはどんな条件が必要なのでしょうか?

臨界プラズマ

皆さんは物体の状態変化を覚えていますか?
例えば水の場合、温度が低いと氷(固体)、
常温だと水(液体)、高温だと水蒸気(気体)になります。
つまり熱が加わるほど、バラバラになるということです!

そして実は気体よりさらに上の状態があります。
気体状態の水をさらに過熱すると、プラズマと呼ばれる
状態になります!

プラズマとは分子同士の結合が切れる解離が起こり、
原子核と電子までバラバラになる電離が起った状態の
ことです。この状態になると原子核の周りの電子が離れる
ので、核融合反応の邪魔にならなくなります。

しかし、プラズマ化は数千度の温度であれはできますが、
核融合反応は更に高い温度が必要になります!
温度が高くなるということは、原子核の動きも早くなる
ということになります。

次に核融合反応を持続させる必要があり、それには密度と

時間が必要になります。温度を上げるだけではプラズマが
拡散してしまうので閉じ込める必要があります。

閉じ込めると密度が上がり、原子核同士がぶつかりやすく
なるので核融合反応がしやすくなります!

温度と密度と継続時間を高水準で与えることで、核融合で
得られたエネルギーで、これまでに至った条件を補えるので
連鎖的に反応が起こせるようになります。

連鎖的に核融合を起こせる条件を「臨界プラズマ条件」、
これを提唱した人の名前をとって「ローソン条件」とも
いいます。

恒星の中心核ではその質量によりこれだけ超高温・超高圧の
過酷な環境が出来上がるからこそ、自ら数百万年~数兆年も
核融合反応を起こして輝き続けることができるんですね!

ちなみに太陽の中心核は1500万℃、2000億気圧という
想像を絶する環境となっています。核融合が起こるには
これだけの環境が必要なので、日常では心配ありません!

補足

今回はあくまで最低条件の値を解説しました。
実際は色々のエネルギー損失が生じるのでにれを大幅に超えなければならない 。

核融合反応の種類について

説明には重水素、三重水素と言う単語がでてきましたが、これを含めた核融合反応の種類について紹介していきたいと思います。

D-T反応(重水素ー三重水素反応)

説明でも度々登場したこの反応は、1番ローソン条件が緩く比較的容易にできるといわれています。
まず重水素、三重水素とは何でしょうか。
原子番号1番は水素原子です、これの原子核を見ると陽子1個で構成されているので、水素原子核=陽子となります。
この陽子1個に中性子が1つくっついたもの重水素、中性子が2個くっついたものを三重水素といいます。
重水素( Deuterium)+三重水素( Tritium)→ヘリウム4(Helium4)+中性子(neutron)
陽子1個と中性子1個、陽子1個と中性子2個が陽子2個と中性子2個のペア(ヘリウム4)に変化し、1個余分に中性子が余る形です。
余った中性子が、周りの物を放射化(放射能を得る)させるので、この反応は基本的には危ないです。

P-P連鎖反応(陽子ー陽子連鎖反応)

この反応は太陽の中心部で起こってると言われています。
まずは陽子と陽子が融合することで、重水素と陽電子、ニュートリノが生まれます。
陽子(proton)+陽子(proton)→重水素+陽電子+ニュートリノ
陽電子とニュートリノはここでは無視していいです。
陽子陽子連鎖反応はこの反応のあと分岐して様々な反応を起こしますがここではそのうちの一つを紹介します。
次に生成された重水素が更に陽子と反応を起こし、陽子2個と中性子1個のヘリウム3になります。
重水素+陽子→ヘリウム3+γ線
次に同様に生成されたヘリウム3同士と反応を起こし、ヘリウム4と陽子2個、そしてエネルギーに変換されます。
ヘリウム3+ヘリウム3→ヘリウム4+陽子+陽子
この反応はD-T反応とは違い中性子を出さないので綺麗な反応です、ただ最後に至るまでに時間がかかるのが問題です。
紹介した2つの核融合反応以外にも「D-D反応」や「CNOサイクル」と様々な反応があります。
興味のある方は是非調べてみてください。

※最後に

いかがでしたか、核融合反応はこのように起こっており、核融合反応のおかげで太陽も輝き続けています。
現在、研究もおこなわれており、近いうちに核融合反応によるエネルギーの恩恵を受けるかもしれませんね。

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