干している干しているどうも、宇宙ヤバイch中の人のキャベチです。
今日は「放射線とは何か、それが宇宙とどう関係があるのか」をテーマにお送りします。
目次
放射線って何?
皆さんは、放射線と聞いてどのようなものだと思いますか?
漠然とした見えないとても危険なものという印象だと思います。
まずは、放射線について解説します。
放射線と調べると、高い運動エネルギーを持った粒子と電磁波の総称とでてきます。
つまりどういうことなのでしょうか?
まずは、高い運動エネルギーを持った粒子について解説していきます。
キャッチボールをしているところを想像してください!
相手が投げたボールが低速だと、受け取るとき手にかかる衝撃は弱くあまり痛く感じませんね。
次に、殺人級の剛速球を受け取るとします。
その衝撃は強く受け取ると手がもげそうになりますね。
このとき、殺人級の剛速球はとても強い力が働いていることが分かります。
ボールは目に見えますが、放射線は冒頭の印象で話した通り目に見えません。
それはボールにあたるものが、電子や原子核といった小さいもの(粒子)だからです。
この世の物質を拡大していくと、全て原子核と電子という粒子で構成されています。
原子核も更に細かく見ると、陽子や中性子というもので構成されています。
つまり放射線とは、電子や原子核等の粒子が、殺人級の剛速球と同じどころか比べ物にならないくらいの速い速度で飛んでいってるものです。
殺人級の剛速球を受け取るとかなりの痛手を負うのと同じように放射線も体にぶつかると碌でもないことが起こります。
私たちの世界では、原子同士が結合した分子で成り立ってます。
放射線により結合が切れてしまう電離が起こることで、体に重大な影響を及ぼしてしまいます。
つまり放射線により体を破壊させられてしまうということです。
もう一つ電磁波の総称とありますが、それは後ほど解説していきます。
更に放射線について掘り下げて解説していきます。
放射線には種類があり、とくに有名なのは以下の四つです。
まずは破壊力「高」貫通力「低」の「α線」
つぎに破壊力「中」貫通力「中」の「β線」
そして破壊力「低」貫通力「高」の「γ線」
そして、世にも恐ろしい破壊力「高」貫通力「高」の「中性子線」です。
α線の正体はヘリウム原子核(陽子2個中性子2個)です。
粒子が大きいのであまり貫通力はありません。
バレーボールのネットは、当然ボール自体がすり抜けることはできません。
しかし、ピンポン玉のような小さな球はすり抜けることができますね。
そして、大きく重いバレーボールでぶつけられるのと小さい軽いピンポン玉でぶつけられるのとでは、バレーボールの方が威力があって痛いと思います。
ですので、例で用いた事と同じようにα線の粒子は、破壊力はありますが貫通力はないのがイメージしやすいと思います!
このα線は、比較的組織の間隔が広い紙を一枚使うだけでも遮蔽することができます。
続いてβ線の正体は電子です。
先程ほどの例で、ピンポン玉の方を想像してもらうと分かりやすいかと思います。
ですので、α線の粒子より小さく貫通力はありますが、破壊力は劣ります。
β線はアルミニウム板を使って遮蔽することができます。
ここまでの放射線は粒子放射線と呼ばれ、粒子が高エネルギーを持ったものになります。
そしてγ線は、今までの放射線とは違い電磁放射線と呼ばれます。
電磁放射線と言われてもよく分からないので解説していきます!
冒頭の放射線の概要にも電磁波の総称ともありましたね。
つまり、電磁放射線とは電磁波のことです。
私たちがよく耳にする電波や赤外線、レントゲンなんかで聞くX線、そして目に見える可視光も全て電磁波と呼ばれています。
電磁波についてよりイメージしやすいように、音波を例にして解説していきます。
音というのは、周波数によって音程が変わります。
周波数というのは、1秒間にどれくらいの回数音波が振動したのかを示す数値です。
周波数が多いほど高い音、少ないほど低い音に聞こえます。
そして音波は周波数が高すぎたり低すぎると、人は音としてとらえることはできません。
それと同じように、電磁波も目に見える可視光線以外に、周波数が低すぎて見えない左の電波や赤外線、高すぎて見えない右のX線とγ線等、人間が感知できない光が有ります。
ここで棒に縄を結んでから引っ張り、縄を上下に揺らしているところを想像してください!
遅く揺らすと、縄にできた波の幅も長く緩やかですね。
次に素早く揺らすと、縄にできた波の幅も狭くなり、揺らしている人間も体力を使います。
つまりこの体力を使うということは、縄にその分多くのエネルギーが蓄えられているとも言えます。
これを電磁波で言い換えると、電磁波も波長が短いほど高いエネルギーを持つということです!
γ線は電磁波ですので、貫通力はとても高いですが放射線の中では破壊力はそれほどありません。
貫通力が高いため紙やアルミ板では防ぐことができず、γ線の強さにもよりますが、鉛板を使うことで影響のないところまで減らすことができます。
さて、次に紹介するのは放射線の中でも最もヤバイ中性子線です。
冒頭でも紹介した通り、原子核を構成しているのは陽子と中性子です。
しかし中性子は文字通り中性なので電荷を持っていません。
ですので、物質内の電荷に引き寄せられることがなく突き進むことができる為、貫通力はとても高くなります。
ヘリウムの場合陽子2個、中性子2個で安定しているように原子は陽子と中性子の特定の数によって安定しています。
安定している原子に、中性子がやってきてくっついた場合その原子は不安定になりやがて崩壊したときに放射線を放ってしまいます。
とある原子は崩壊したとき、さらに中性子を放ち、またそれが違う原子を崩壊させて中性子を放ちと、連鎖的に反応を起こす超危険なのもあったりします。
そんな超危険な中性子線も、水素を多く含む大量の水や厚いコンクリートで影響のないところまで減らすことができます。
この他にも放射線の特殊な例として、陽子線や重イオン線等あります。
興味のある方は是非調べてみてください!
ここまでは放射線自体について解説でしたが、それが宇宙とどう関係があるのかを解説していきます!
放射線と宇宙の関係
宇宙空間には、私たちの住む地球の地表とは比べものにならないほど沢山の放射線が飛び交っていて、それらを宇宙線と呼びます。
では、その宇宙線を発している原因は何でしょうか?
発生源のその一つは、我らが母太陽です。
太陽はとても巨大な天体で、核融合反応はじめ高エネルギー反応を起こしており、絶え間なく宇宙線を放出しています。
核融合反応は以下の関連記事で紹介しているので是非ご覧ください!
特に太陽表面の爆発現象フレアの時は非常に多くの宇宙線を放出します。
宇宙空間が危険な環境だと分かりますね。
そんな宇宙空間を飛び交う宇宙線は、地球や私たちにどのような影響を及ぼしているのでしょうか?
地球に住む私たちは、太陽は毎日見ていますね。
だからといって、日光を浴びても死ぬようなことはありません。
それは、主に太陽をはじめ宇宙に飛び交う危険な宇宙線は地球の地磁気と大気に守られている為です!
地磁気は、地球内の外核が対流することで生まれています。
地磁気がバリアとなって大半の宇宙線は直接地表に届くことはありません。
しかし一部の宇宙線は磁気圏内に入り、磁力線にそって加速しながら南極や北極から入り込んでいます。
そこから大気にぶつかることにより宇宙線のエネルギーは減衰しますが、そのとき減少したエネルギーは光として放たれます。
これこそがオーロラですね!
ですので、オーロラを見た時は有害な宇宙線から守ってくれている証ということです。
地球さんマジぱねーっす!
宇宙飛行士
地表に住む私たちは大丈夫ですが、宇宙飛行士はまた違ってきます。
宇宙飛行士が勤務する、高度400kmを周回する国際宇宙ステーションの周りの環境では地磁気はあるものの、大気がほぼ皆無です。
放射線が人体に影響を与える数値をシーベルトといいます。
地上の日常生活を送る中で、被曝する量は年間2.4ミリシーベルトと言われています。
それに比較して、国際宇宙ステーションの宇宙飛行士の被曝量は、1日当たり0.5~1ミリシーベルトで、地上での日常生活の約半年分にあたります。
地球近辺の宇宙空間は太陽に作用されますので、フレアが起きた際は厳重に注意しないといけません。
当然ですが、宇宙飛行士も大変な仕事ですね・・・
地球以外の天体にも目を向けてみましょう。
地磁気を持たない金星では、大気上層が太陽をはじめとした宇宙線の影響で剥がされています。
木星では、衛星イオの火山が噴出する粒子が木星の磁場に捕まることによりイオン化され、高エネルギーとなって宇宙線に溢れています。
防護なしの人間が即死するほどの恐ろしいエネルギーです。
また、銀河宇宙線と呼ばれる太陽系外から飛んできた宇宙線の中には、素粒子レベルでの反応を起こしたりもしています。
このように放射線は、宇宙を考える上で重要なことだと分かりますね!
皆さんも、将来宇宙旅行に行く際は十分に放射線対策をしましょう!!
結論:鉛と水は持っていこうね!