どうも、宇宙ヤバイchのキャベチです。
今回は、「ビッグバンより前から存在していた恒星の謎」というテーマで動画をお送りしていきます!
キャベチのツイッター(@uchuyabaich)をフォローするとブログの更新がお知らせされます!
目次
メトシェラ星って何?
地球からわずか200光年という宇宙規模でいえば非常に近い位置に、HD 140283という恒星があります。この恒星は質量が太陽の0.8倍程度で、半径が太陽の2倍程度、温度は5500℃と太陽とほぼ同じです!
特段際立った星ではありませんが、その恒星の年齢を計測した結果、なんと137億~153億年前に誕生していたと計算によって求められました!
当初は140~160億年前と見積もられていましたが、数年前の再観測によって137-153億年前と下方修正されました。
どのみちこれは既知の恒星で最も古いものの一つとなっています。
あまりに年齢が古いため、旧約聖書で最も長寿な人物であるメトシェラにちなんで、「メトシェラ星」と呼ばれ親しまれています!
ここで一つ大きな疑問が宇宙の年齢の定説が138億歳であるということです。
137~153億年前というのは、下限値でもない限り宇宙が始まったビッグバンよりも古くからあるという事に!
恒星の金属量から、最も古い恒星ではないことも判明
そしてメトシェラ星は、もっとも初期から存在している恒星ではないこともわかっています。そもそも恒星の年齢の測定は、「どれだけその恒星に金属が含まれているか」を調べることで測定しています。
宇宙には元々、水素とヘリウムしかありませんでした。
金属というのは質量が太陽の8倍以上大きい恒星が核融合で生成したものが、超新星爆発によって宇宙空間に放出されることで徐々に宇宙空間にばら撒かれていきました。なので、宇宙に存在する金属量は宇宙の年代によって異なっているため、恒星に含まれる金属量がわかればその恒星が誕生した年代を推定することが可能ということに!
そしてメトシェラ星は金属量が太陽の約0.4%と極めて少ないことが分かりましたが、これは0ではありません。
なので確かに十分に古い年代に生まれたと推測できますが、同時に他のどの星も超新星爆発を起こしたことがない、宇宙に金属が存在していないまさに最初期に生まれた恒星ではないことがわかっています。
現在の太陽のような金属を豊富に含む恒星を種族I、メトシェラ星のように非常に金属量が少ない宇宙初期に生まれた恒星を種族II、金属量が0である最初の世代の恒星を種族IIIと分類するので、メトシェラ星以上に古い恒星も存在します!ということはメトシェラ星の年齢の観測結果が正しければ、宇宙より古い恒星がメトシェラ星以外にもいくつか存在している可能性があるということに…?
宇宙の年齢の不確実性
とはいえ冷静に考えて、宇宙誕生より前から存在していた恒星というのはあり得ないので、この恒星の年齢か、もしくは長年信じられてきた宇宙の年齢の方が間違っている可能性もあります。宇宙の年齢の測定は、これまで数多くの測定方法から導き出されたものなので、そう簡単にこれが大きく崩れるという事は考えにくいでしょう。
ですがメトシェラ星は最初に言った通り地球から200光年と宇宙レベルでいえば相当な近所にある星なので、年齢測定の精度は比較的高いと見積もられています。
ということは、宇宙が138億歳であるという常識がもしかしたら覆る日がそう遠くないうちに来るかも…
いずれにしても、何かを修正するべきなのは間違いないです!
結論:メトシェラ星&宇宙「貴方はどっちを信じるのよ!?」