どうも!宇宙ヤバイch中の人のキャベチです。
今回は「理論上存在しえない白色矮星」をテーマに動画をお送りしていきます。
今年8月、現代の宇宙では存在していないはずの非常に特異な白色矮星が発見されたと大きな話題を呼んでいました。
今回はそちらを掘り下げていきます!
目次
白色矮星ってどんな天体?
まずは白色矮星がどんな天体なのかを簡単に解説します。
白色矮星は太陽の8倍以下の質量を持つ恒星がその一生を終えた後、最後に残る燃えカスのような天体です。
私たちの太陽も数十億年後には白色矮星になります。
元々超高密度の恒星の中心核にあった炭素や酸素などの物質が白色矮星として残るので、この天体は物凄く高密度なのが特徴です。
白色矮星には質量や大きさに個体差があるので一概には言えませんが、例えば地球から最も近くにある白色矮星シリウスBは、地球より一回り小さいサイズにもかかわらずその質量は地球の33万倍重い太陽と同程度もあります!!
あまりに高密度のため、表面重力は地球の38万倍!
全ての白色矮星がここまで高密度というわけではないですが、通常の惑星などと比べれば桁違いの密度を誇っています。
白色矮星の質量について
白色矮星の平均的な質量は太陽の0.6倍程度と考えられているため、先ほどのシリウスBはかなり大きめの白色矮星であることがわかります。
そして実は白色矮星には質量の上限があって、このように太陽の1.4倍を超えると、1a型超新星爆発という超特大の大爆発を起こして途方もないエネルギーを放ちます!
その後中心部にはさらに高密度の中性子星が残ります。
さらに白色矮星の質量には下限もあると考えられています。
白色矮星のもととなる恒星というのは質量が軽いほど省エネで寿命が長いため、あまり軽い恒星は寿命が現在の宇宙の年齢である138億年よりも長いのです。
つまり質量の低い恒星からできる質量の低い白色矮星も同様に現在の宇宙では存在するはずがないのですね!
本来存在しないはずの白色矮星が発見される!
ですが今年8月、KIC 8145411という白色矮星と恒星の連星系にて、元の恒星の質量から考えて現代の宇宙にはまだ存在し得ないはずのなんと太陽質量の0.2倍しかない非常に軽い白色矮星が発見されました!
一応KIC 8145411以外でも太陽の0.15-0.3倍程度の質量しか持たない軽すぎる白色矮星が見つかっていて、これらは連星のペアである恒星からガスを奪われることで、質量を落としていると考えればその軽さを説明することができます。
ですがKIC 8145411の白色矮星に関しては、恒星との距離が1.3AU(1AU=地球と太陽の距離≒1.5億㎞)もあり、恒星からガスを奪われると想定される距離のなんと10倍以上も遠く離れていることを公転していることがわかりました!
そのため今回見つかった白色矮星に関しては未だその軽さの謎を解明することができていないわけですね。
存在しないはずの白色矮星、ロマンがあります!
結論:白色矮星のくしゃみ「ハックショク!」 ……は??