どうも!宇宙ヤバイch中の人のキャベチです。
今回は「天の川銀河内で発生した高速電波バーストを観測」というテーマで動画をお送りしていきます。
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高速電波バーストとは?
credit: Swinburne Astronomy Productions
高速電波バースト(Fast Radio Burst,FRB)は、1000分の1秒程度の期間だけ起こる非常に強い電波放射現象です。
地球に届くFRBは非常に弱く、「地球から38万㎞も離れた月面にて使用した携帯電波から地球に届く電波の1000分の1の強さ」とよく例えられるほど微弱な電波です。
ですが地球にて届く電波が非常に微弱なのは、私たちの住む天の川銀河の遥か彼方にある遠い宇宙にある銀河からやってくるものばかりだからであり、FRBのエネルギー自体はとてつもなく巨大であると考えられています!
具体的に言うと中でも強力なものについては、突発的とはいえ実に太陽が放つエネルギーの5億倍にもなる途方もない量のエネルギーを放つこともあるそうです!
FRBは基本的には周期性を持たず突発的に発生しますが、中には周期的にFRBを放出している電波源も見つかっています。
そのような性質から未だにFRBの正確な起源は特定されていません。
一応候補としては、高速自転する中性子星やブラックホール、はたまた地球外生命体による仕業であるというぶっ飛んだ意見まであったりするそうです!
最近支持を集めている意見としては、FRBがマグネターであると考えるものがあるようです。
マグネターとは中性子星の一種ですが、何らかの原因により通常の中性子星より1000倍ほど磁力が強い、特殊な中性子星を指します。
マグネターは星の表面に数㎛ほどの亀裂が入り、突発的に超高エネルギーのバーストを放つ「マグネター星震」という現象を起こすことがあります。
これこそがFRBの正体の候補の一つというわけですね!
ちなみにマグネター星震についての動画を以前投稿しているので、以下の関連記事からあわせてご覧になってください。
過去に類を見ないほど巨大なFRBを観測!
それでは今回のニュースの本題に入っていきます!
最初にFRBが観測されたのは2007年と非常に最近で、最初のFRBは発見者の名前にちなんで「ロリマーバースト」と呼ばれています。
それ以来たくさんのFRBが観測されてきましたが、天の川銀河内で発見されたFRBは一つもありませんでした。
そんな中、「天の川銀河内で発生したのではないか」と考えられるほど地球からでも非常に強力な光を観測できる過去に類を見ない規模のFRBを、先月4月28日にカナダのCHIMEという望遠鏡が観測していたそうです!
credit: Swinburne Astronomy Productions
そのFRBはあまりに強力すぎたためCHIMEだけでは正確な性質を把握しきれず、それに加えてSTARE2という天の川銀河内で発生したFRB等の現象を観測するための装置も用いてようやくその詳細を理解することができました。
今回地球から3万光年という天の川銀河内で発生した強力なFRB候補は、SGR 1935+2154と名付けられています。
そしてこのSGR 1935+2154は、天の川銀河内で発生した可能性がある以外にも大きな特徴があります。
それは、「強力な電波だけでなくX線も同時に放っていた」ということです。
電波もX線も、そして私たちが目にする可視光も全て電磁波の一種です。
それらの違いは波長で、長いものだと電波、短いものだとX線やガンマ線に分類されます。
このうち波長の長い電波と短いX線が同時に観測されるというのは、他のFRBを振り返っても珍しい現象であったとされています。
先述の通りFRBの有力候補の一つにマグネターがありますが、このマグネターも強力なX線を放つので、今回観測しSGR 1935+2154の特徴に合致していますね。
ですが一般的なFRBは文字通り強い「電波」を放つ現象であり、FRBの中にもマグネター由来ではないものも含まれている可能性があります。
いずれにしろ今回のSGR 1935+2154も大きな参考資料として、今後のFRBの研究に期待がかかります!
結論:地球外生命体「まあ俺らの仕業なんですけど…w」