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宇宙最強の磁力を持つ天体”マグネター”の威力とは?

宇宙は面白かったり恐ろしかったりするもので溢れています。

その中でも今回取り上げる「中性子星」というのは特に面白く、その一種である「マグネター」は特に恐ろしいパワーを誇っている極めて特異な天体です。

そんな中性子星やマグネターの面白さについて深く掘り下げた動画を見つけたので、和訳していきます!

What the Most Powerful Magnet in the Universe is Capable of: Magnetars Explained


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中性子星の基本的な特徴

前述の通りマグネターは中性子星の一種なので、一つの大きな違いを除いては基本的に同じ天体として考えて良いです。

なのでマグネターを扱う前に、中性子星の基本的な特徴を紹介しておきましょう。

中性子星のでき方

中性子星は太陽質量の10〜29倍程度の質量を持つ重い恒星が最期を迎えた時に誕生します。

このような恒星の中心部でこれ以上核融合反応ができなくなり、最期を迎えた時、とてつもなく明るい天文現象である「超新星爆発」が発生します。

その際その星の核は、核融合反応によって生じていた内側からの圧力がなくなり、重力による外圧に耐えきれなくなり急速に押しつぶされます。

そこでは電子や陽子がとてつもない圧力により無理やり急接近させられ、融合し中性子となります。

こうしてほぼ全てが中性子で構成される想像を絶するほど超高密度な球体・「中性子星」が発生します。

中性子星は想像を絶するほどの超高密度

この中性子星は直径20kmとかなり小さな天体にもかかわらず、質量が太陽と同程度〜2倍もあります。

これはつまり2つの太陽をマンハッタンと同じ大きさにまで圧縮したのと同じ密度だということになります。

(画像元:ae01.alicdn.com

もっとわかりやすくその密度を例えてみましょう。
画像のように指にすっぽり入るサイズの「指ぬき」に中性子星の一部が入っていたとすると、なんとその重さは「1億トン」になります!

これは一般車の7000万倍の重さです。
たったこれだけの小さな空間で車7000万台分の重さとは、中性子星がいかに想像を絶するほどの高密度かはおわかりいただけましたか?

中性子星は自転速度が宇宙一速い

中性子星は誕生して以来、とてつもないスピードで自転を続けています。

その中でも「PSR J1748-2446ad」と呼ばれる中性子星は全天体の中で観測史上最速の自転速度を誇っています。

この中性子星はなんと毎秒716回転という異次元の速さで自転を続けており、その表面では自転速度が光速の24%である72000km/sにも及びます!

マグネターは中性子星よりも「ヤバイ」

これまで紹介してきただけでもあらゆる面で規格外な中性子星ですが、その中でもごく一部のものは「マグネター」として、さらに規格外な特性を持っています。

マグネターと中性子星の唯一の違いとは?

唯一の違いを除いて、基本的には同じ特性を持つマグネターと中性子星。
ではマグネターはどんな点で中性子星よりも優れているのでしょうか?

全ての中性子星はとてつもなく強力な磁場を発生させています。

その威力は地球の地表で感じる地磁気のなんと2兆倍
ここでも中性子星は持ち前の異次元っぷりを存分に発揮しています。

しかし中でもマグネターは普通の中性子星のさらに1000倍も強い、宇宙一強力な磁場を発生させているのです!
ちなみにマグネターは直径20kmと極めて小さな天体だということをお忘れずに。

マグネターの磁力はこんなにもヤバイ

宇宙最強の磁力を持つマグネターですが、これにかかれば、160000km離れた場所からでも地球上のすべてのクレジットカードの情報を抜き取ることができます。

仮にあなたがどうにかしてこのマグネターの1000km以内に近づいたならば、あまりに強力な磁力により体は歪められ、原子レベルの極めて細長い物体へと無理矢理変形させられてしまいます。

本当に恐ろしいですね。
マグネターには絶対に近づかないようにしましょう!

地球をも滅ぼしかねない「マグネター星震」

しかし仮にマグネターに近づかなかったとしても、全く安心できないのがこのマグネターの本当に恐ろしいところ。

マグネターは「星震」をよく起こします。
これは地球でいうところの地震にあたります。

中性子から成るマグネターの地殻も、地球のそれと同様に運動しており、ヒビが入ることがあるのです。

このヒビはたったの数μm(1000μm=1mm)にすぎない場合が多いですが、この星震が一度起こると本当に巨大な放射線の爆発が起こります。

これは銀河系の逆側の端っこで発生した星震が地球でも観測できてしまうほど強力です。

観測史上最も強力だったマグネター星震は、地球から50000光年離れた場所にある「SGR 1806-20」と呼ばれるマグネターで発生したものでした。

2004年、このマグネター星震によるγ線がはるばる地球まで到達しました。

そしてこの星震は、人類が観測してきた中で最も明るく輝いた天文現象でした。
太陽の40兆倍の明るさで輝いたということですから、本当に途方もないエネルギーです。

またこの星震による爆発は、銀河系内で観測されたものとしては1604年に起きてケプラーに観測された超新星爆発以来最大の爆発現象だったとも言われています。

2004年のマグネター星震では、たった10分の1秒の間で、太陽が過去10万年間で放出してきた全エネルギー量よりも多くのエネルギーを放出したとされています!

50000光年も離れているためこの爆発による地球への影響は大きくありませんでしたが、仮に地球から10光年以内でマグネター星震が起きたとすれば、地球のオゾン層が完全に破壊され、地表もほとんどが破壊されてしまいます。

地球上の生命はほとんど壊滅してしまいそうですが、ガンマ線バーストは光速で到達するので、私たちは実際に直撃するまで異変に気付くことはありません。

幸運なことに、地球から最も近いマグネターでも9000光年離れています。

だからこそ私たちは安全な場所から、この危険極まりない現象に魅せられて観測を続けるのですね。

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