どうも!宇宙ヤバイch中の人のキャベチです。
今回は「探査機ボイジャーの現状」をテーマに動画をお送りしていきます。
目次
探査機ボイジャーたちは今どこに?
つい先日ボイジャー1号に続いて、2号も太陽圏を抜けたと大きなニュースになっていました。
彼らは今どこにいるのでしょうか??
2019年11月現在、ボイジャー1号は太陽から147AU、2号は122AUの位置にあります!
ちなみに1AU=地球と太陽の距離≒1.5億㎞です。
そして1号が17㎞/s、2号が15.3㎞/sという速度で、現在も太陽系外に向かって直進中です。
太陽系で観測された中で最も遠い天体「ファーアウト」ですら130AUほどの位置にあるので、このボイジャーは打ち上げから約40年経過してこれまで観測されてきたどの太陽系天体より遠い場所までたどり着きました!
ボイジャー1号に続いて2号も太陽圏を脱出か
そして1号に続いて2号が太陽圏を抜けたと話題ですが、そもそも太陽圏とは一体何でしょうか?
太陽圏とは、太陽風の届く範囲のことを指します。
太陽風は太陽から超高速で放出された超高温のガスです。
正確には激しい熱運動でガスの原子が電子と陽イオンに電離しているプラズマの状態になっています。
この太陽風は平均450㎞/s、温度100万℃という状態で地球を通過し、地球の磁気圏と衝突することで極地で見れる美しいオーロラの原因ともなっています!
その後太陽風は太陽から離れるにつれ減速し、最終的には太陽から100AUほど離れたところで恒星間にある物質と混ざりあうと考えられています。
最終的に太陽風の物質と星間物質が混ざり合う境界面を「ヘリオポーズ」と呼び、太陽からこのヘリオポーズまでを太陽圏と呼んでいます。
ボイジャー2号は1号に続いてこの領域を抜けたわけですね!
ちなみに似た言葉に「太陽系」がありますが、これは太陽の重力が他の天体からの重力より優位な領域で、「太陽を公転する天体がある領域」と言い換えられます。
太陽系の果てには「オールトの雲」という太陽系全体を包み込むように存在する構造があり、これは太陽から1光年≒63000AUのところまで広がっているため、太陽圏より遥か外側まで太陽系は続いています!
つまりボイジャーはまだまだ太陽系から抜けられていないということですね。
ボイジャー1号ですら、太陽系を抜けるまで今の速度で約2万年もかかるそうです。
宇宙広すぎ…
ボイジャー1号と2号が経験した太陽圏の果てとは
ボイジャー1号が太陽圏を通過してから6年遅れて2号が太陽圏を通過したことで、太陽圏の変化というものを読み取ることができるようになりました。
ボイジャー1号は太陽から121.6AU離れた所で太陽圏を抜けましたが、2号は119AUと少し近い位置で太陽圏を抜けたと考えられています。
元々太陽圏は太陽の活動の活発度合いによって広がったり狭まったりすると考えられていましたが、ボイジャーがそれを実際に示す形となったわけですね。
また、どちらも星間空間でも磁場の向きは太陽圏内部と変化しないことなど、2つの情報を比較することでさらに多くの知見を得ることができました!
ボイジャーは共にあと5年ほどで、その稼働がストップする見込みです。
既に40年以上にもわたって偉大なる成果を残し続けたボイジャーの勇姿を、最期の時まで見届けましょう!
結論:人類の旅はまだまだ始まったばかり!