どうも!宇宙ヤバイch中の人のキャベチです。
今回は「超新星爆発の威力」をテーマに動画をお送りします。
目次
そもそも超新星爆発とは?
“超新星爆発”というのは、太陽より8倍以上重い恒星がその一生を終える時に起こす大爆発のことです。
単に“超新星”でも似た意味を指すことが多いです。
突如新しい星が出現したかのように明るく見えることから新星なんて呼ばれていますが、星の誕生ではなく最期を彩るイベントなのでご注意ください!
そもそも宇宙にある全ての恒星のうち7割は質量の低い赤色矮星という類の恒星です。
太陽は恒星全体のうち上位5-10%に入るかなりの質量を持つ恒星です。
そんな太陽のさらに8倍以上となると相当に限定されます。
シリウスやアルタイル、ベガなどなど、比較的近隣の有名な恒星の大部分が太陽質量の8倍以下です。
それだけ選ばれし恒星のみが起こす爆発現象というだけあり、その威力はすさまじいの一言です!
超新星爆発の威力はどれくらい?
では超新星爆発の威力はどれほどなのでしょうか?
いきなりその数値だけポンと提示してもピンとこないと思うので、他のより身近な指標と比較してみましょう。
まず、70億人以上もの現代の人類が1年間かけて消費するエネルギーの総量が、5.8*10^20J程度です。
日本語では5.8垓という単位になります。
1兆の1万倍が京、そのさらに1万倍が10の20乗で垓なので、本当に凄まじい桁数ですね。
そして太陽が1秒間に宇宙空間に放出するエネルギーは、約3.8*10^26Jです。
10^20のさらに100万倍です!
これらから計算すると、太陽が一秒間で放出するエネルギーは今の調子で使って全人類の67万年分のエネルギーに相当するということに!
太陽神の力は凄まじいです(震え声)
宇宙には太陽とは桁違いのエネルギーを放出する恒星がたくさん存在していますが、その中でも発見史上最強の恒星は当チャンネルでもよく登場する「R136a1」です。
この恒星は太陽の800万倍のエネルギーを誇るため、Jで換算すると約3*10^33Jものエネルギーを毎秒放出していることになります!
では本題の超新星爆発のエネルギーはどれくらいになるのでしょうか?
もちろん星によって値は異なりますが、平均的な超新星爆発の場合その総エネルギーは10^44J程度であると考えられています。
これはなんと太陽の83億年分のエネルギーに相当します!!
太陽の寿命は120億年程度と考えられているので、本当にほぼ一生分のエネルギーを短時間で放ってしまうのです。
最強クラスの恒星R136a1で換算しても、その1000年分以上のエネルギーを放つ計算です。
これでも平均的な威力というのですから、本当に超新星爆発は凄まじい現象です!
特に威力が大きい「極超新星」
凄まじく威力の高い超新星爆発の中でも、質量やスピンなど何らかの特殊な条件を満たした場合、通常の超新星爆発より10倍以上も威力が増すことがあります。
そんなより高威力の爆発現象を「極超新星(きょくちょうしんせい)」と呼んだりします。
過去最強の超新星爆発の威力はどれくらい?
極超新星の中でも最も光度が高かったのが、”ASASSN-15lh”と呼ばれる超新星でした。
そのエネルギーは通常の超新星のさらに約200倍!
さらに凄まじいのが、このたった一つの超新星だけでピーク時にはなんと太陽の5700億倍、天の川銀河全体の20倍も明るく輝いていたそうです…
数千億の星が束になっても勝てない超新星、半端ないって。
もしも極超新星”ASASSN-15lh”が太陽の位置で発生した場合、地球は当然超高温で跡形もなく瞬時に気化してしまいます。
では太陽の位置にある”ASASSN-15lh”からどれくらい離れれば、今の太陽から受けるエネルギーと同じ強さのエネルギーを享受することができるでしょうか?
これを計算するとなんと12光年という距離になります。
つまり仮にシリウスの位置でこの現象が起きたとしても、地球まで太陽以上のエネルギーが伝わってくるということに!
さらに“ASASSN-15lh”はこんな強力なエネルギーを、なんと120日間にもわたり放射し続けたと記録されています。
宇宙レベルでは一瞬ですが、人類から見れば十分長いです。
ASASSN-15lhの発生原因は超大質量ブラックホール?
実はこの”ASASSN-15lh”、最近になってこれは一般的な超新星爆発のような星が寿命を迎えた際の現象ではないのではないかと考えられています。
最も有力な説は、太陽の数億倍というとてつもない質量を持つ超大質量ブラックホールによって周囲の星が崩壊させられて、通常の爆発の何百倍も明るく輝いて見えた、という説です。
地球から何億光年も彼方で観測される超絶明るい天体”クエーサー”も超巨大なブラックホールの周囲で超高温に加熱させられた物質による輝きだと考えられています。
それらの天体は宇宙の最高速度である光速に近い速度にまで加速させられてしまいますし、本当にブラックホールの威力は凄まじいですね!
最も明るい天体現象”ガンマ線バースト”
これまでで十分に超新星爆発の凄まじい威力を実感していただけたかと思いますが、超新星爆発にはさらに“ガンマ線バースト”というトンデモ現象が絡んできます。
英語でgamma ray burst略してGRBなので、以下GRBとします。
GRBは特に爆発の中心部でブラックホールが生成されるほどの大質量恒星(太陽の30倍以上程度)が超新星爆発する際に発生すると考えられています。
このGRBは超新星爆発と同等のエネルギーを放射するリアル破壊光線です。
しかも爆発は拡散するのに対しGRBは指向性があるので、直撃して受ける影響は爆発以上です。
さらにその影響は超遠方までに及びます。
地球からでも宇宙のどこか何億光年も彼方で起こったGRBを毎日2、3個ほど観測しているそうです!
何億光年も彼方から届くレーザービームですから、仮に640光年しか離れていないベテルギウスが超新星爆発時にこのGRBを起こしたとしたら、地球に何かしらの影響があってもおかしくないですね。
具体的には地球の生物を有害な宇宙線から守ってくれているオゾン層を破壊してしまうなどといった影響が考えられます。
オゾン層が破壊されれば生命の大量絶滅が起こるでしょう。
実際に今から約4億4500万年前に大量絶滅が起こったと考えられていますが、その原因がガンマ線バーストによるオゾン層の破壊だったという説が有力視されているのです。
当時ガンマ線はなんとたったの10秒降り注いだだけで、オゾン層の約半分が失われてしまったそうです!
しかも回復には5年を要するとか…無慈悲極まりない破壊光線です。
いかがでしたか?
色々と桁違いの数値が連発する宇宙のお話ですが、今回の超新星爆発は特にぶっ飛んでいました!
ガンマ線バーストなんて打てるようになったらかっこいいですよね!
もうかめはめ波なんて時代遅れ、これからはガンマ線バーストの時代です。
結論:悟空「ガ・ン・マ・線・バースト!」敵「()」地球「()」