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1年がたったの○時間!?公転周期が最も短い惑星や連星って何?

どうも!宇宙ヤバイch中の人のキャベチです。

今回は「公転周期が最も短い天体」をテーマに動画をお送りしていきます。

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太陽系で最も1年が短い惑星

太陽系にある天体のほとんどは太陽を中心としてその周囲を公転しています。

そして太陽に近いほど強い重力と釣り合うために強い遠心力が必要になるので、公転速度が速まります。

主星に近い天体ほど速度が速く公転する距離も短いため、公転周期は短くなります。

実際に太陽を公転する惑星の中では太陽に最も近い水星が最も公転周期が短く、その公転周期は約88となっています。

地球でいう3か月で水星の1年が終わってしまいますね!

これでも人類的にはかなり短く感じてしまいますが、一歩太陽系の外にまで視野を広げると想像を絶するほど1年があっという間に過ぎる天体が存在していました!!

 

恒星を公転する惑星で最も公転周期が短い惑星「K2-137 b」

ではまずは現在発見されている、太陽のような「恒星」の周りを公転している太陽系外惑星の中で最も公転周期が短いものを紹介していきます。

それは太陽系からはるばる310光年ほど離れたところにある、K2-137という恒星を公転するK2-137 bという惑星です。

この動画では恒星をK2、惑星をK2 bと呼ばせていただきます。

 

K2 bは地球の89%ほどの半径しか持たないかなり小さい惑星です。

太陽系外惑星は大きいほど見つけやすいため、この星は見つかった中でもかなり小さい部類に入っています。

そして主星であるK2との距離ですが、なんとわずか87万㎞ほどしか離れていません!

これは水星の軌道の1.5%分しか離れていないことに

 

そして肝心のK2 bの公転周期ですが、なんとわずか4時間181回公転してしまいます!!

つまりこの惑星では1年がたったの4時間ちょっとで終わってしまうわけですね。

忘年会と新年会を絶え間なくやり続けることになりそうですw

 

K2は質量も半径も太陽の半分程度なので、重力的には太陽よりも弱い恒星です。

にもかかわらずこれだけ至近距離にあるためにここまで公転周期が短くなってしまっているというわけですね。

ではK2 bに降り立ち、そこからの景色を見てみましょう!

いやあまりに主星が近すぎて恐怖を覚えます。

フレアとか起こったら直接降りかかってきそうな近さです。

 

あまりに近く非常に強い潮汐力を受けているため、地球に対する月のように常に主星に対して一方の面だけを向け続けていると考えられます。(潮汐ロック)

なのでどれだけ時間が経てど昼の面は永遠に夜にならず、夜の面は永遠に昼にはならないのです。

KOI-1843 bという惑星も公転周期が非常に短いが…

そして実は、K2 bよりも公転周期が短いのではないかとされている惑星があと一つだけ存在します。

それは太陽系から400光年ほど離れたところにある、KOI-1843 bという惑星です。KOI 1843.03とも呼びます。

この惑星は公転周期が先ほどのK2 bよりも4分ほど短い可能性がある惑星で注目度は高いのですが、まだその存在自体が確定的でありません。

そのため使用中のシミュレーションソフト「space engine」でもそのデータが含まれていません。

なのであくまで補足として紹介させていただきます!

 

中性子星を公転する惑星で最も公転周期が短い惑星「PSR J1719-1438 b」

さて、恒星を中心として公転する惑星の中で最も1年が短い惑星を紹介してきました。

ですが中性子星の周りを公転する惑星まで含めると、さらに1年が短い惑星があります!

 

その惑星はこちらのPSR J1719-1438という中性子星の周囲を公転しているPSR J1719-1438 bという惑星です。

長いので以下主星をPSR、惑星をPSR bとします!

 

PSR bは先ほどのK2 bよりかなり重く質量が木星ほどありますが、その半径は木星の40%程度しかありません。

その密度は19.5g/cm^3と太陽系の惑星と比較しても極めて高いため、これは通常の惑星ではないだろうと考えられています。

ちなみに太陽系惑星で最も密度が高い惑星は地球で、その数値は5.51g/cm^3です。

 

この密度の理由として、元々この惑星は太陽の8倍以下の質量を持つ恒星が一生を終えると残るとされる、白色矮星という天体だったという説が有力視されています。

とはいえ白色矮星としては木星程度の質量というのは物足りない気がしますね。

地球から近い白色矮星であるシリウスbなんかは太陽とほぼ同じ質量を持っています。

実はその元々の白色矮星の表層が中性子星PSRができる際の超新星爆発によって質量の99.9%をはぎ取られて残ったものが今の惑星PSR bの姿であると考えられています!

このようにかつて白色矮星だった天体の表層が主星である中性子星ができる際の超新星爆発によって飛ばされたと考えると、PSR bの密度が説明できるのです。

 

ではPSR bは主星PSRからどれくらい離れているのでしょうか?

その距離は66万㎞しかないため、先ほどのK2 bよりさらに21万㎞も内側にありますね!

 

そしてさらに中性子星は太陽の1.5倍の質量を持つため、同じ距離でも太陽の質量の半分しかない先ほどのK2よりも速い速度で公転する必要があります。

そのためこのPSR bの公転周期は先ほどの4時間18分を大きく更新するなんと2時間11です!!

恐ろしく短い1年ですね

 

惑星から景色を見るとこちらも潮汐ロックが働いていて、昼の面は常に中性子星の方を見続けていることになりそうです。

ですが中性子星は太陽の1.4倍の質量でありながら半径が10㎞程度しかないため、これだけの距離からでも主星の実体を観察することはできません!

 

最も公転周期が短い「連星」

さて、これまでは質量差が大きく主星を一方的に公転する惑星を題材に扱ってきましたが、さらに質量差が小さくお互いを公転しあう「連星」を含めてみましょう。

かに座HM星という連星系は、地球から1600光年離れた場所にある白色矮星2つからなる連星系です。

この連星系はお互いが非常に近い距離で公転しあっていて周囲への重力的な影響もすさまじく、銀河系で最も強い重力波源の候補としても有名です!

 

白色矮星間の距離はなんと7.5万㎞しか離れておらず、これは地球と月の間の距離の5分の1程度でしかありません!

そしてこの超至近距離をなんと秒速1462というとてつもない速度で公転しあっています。

地球の公転速度が秒速30㎞なので、これがいかに速いかがわかります。

 

そして肝心の公転周期はというと、驚異の521.5!!

これだけ至近距離で密度の高い天体同士が接近すると、これほどまでの周期が実現するんですね。

 

そしてなんとこの白色矮星のペアは常に接近し続けていて、1年間で公転周期が1.2ミリ秒ずつ短くなっていると考えられています!

なぜこれらの連星が徐々に接近しているのかというと、重力波をエネルギーとして放っているため、力学的エネルギーが代わりに減少しているためです。

 

そして今から34万年後には衝突・合体して、超新星爆発を引き起こすと考えられています。

何とか長生きしてその瞬間を見納めたいな??

 

まとめ

いかがでしたか?

太陽系の常識が全く通用しない、相当に極端な世界が今回も垣間見えました。

年間を通じて色々な行事をゆっくりと楽しめ、かつ1年が長すぎて頻度が落ちすぎない今の地球の公転周期に感謝しましょう!

結論:地球は公転周期もちょうどよかった

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